廃墟の街に変貌した「沖縄の高級リゾート地」

廃墟の街に変貌した「沖縄の高級リゾート地」

【希望ヶ丘】

 サーファーや観光客でにぎわうリゾート地として名高い沖縄本島中央部の恩納村であるが、その中の「希望ヶ丘」に、廃墟が立ち並ぶ一帯がある。

 かつては、高級住宅地と呼ばれ別荘が並び、バブル経済の全盛期には坪単価30万円にまで跳ね上がっていたというが……。

「お金持ちが住んでいるということで、地元のやんちゃなヤツらが強盗しにきて、住人に大けがをさせる事件もありましたよ。もちろんその頃は管理会社もあったから、警備員がすぐに来て取り押さえてくれたけどね」(地元住民)

 この場所が高級別荘地になった経緯は、住民のA氏が希望ヶ丘のある一角を遺産相続したことに始まる。A氏は、目の前にビーチが広がるこの場所を有効活用しようと別荘を建て、友人や知人に貸し出すビジネスを始めた。A氏の別荘から見える海や水平線に沈む夕日はとても美しく、口コミから噂が噂を呼び、マネする者が増え、あっという間に豪華な別荘が立ち並ぶようになったという。

 しかし寂れていくのも早かった。まず、目の前の某ビーチが数年前、大手ホテル建設のために閉鎖。海で遊べるという強みをなくしたためデベロッパーは早々に手を引き、管理会社も後を追うように撤退すると辺りは荒れ放題になり、現在のような姿になってしまったのだ。周辺に人の姿は少ない。

「住居として貸し出しているところもあるみたいだけど、そこは犬を20匹ほど放し飼いにしていて迷惑だよ」(地元住民)

 大手観光業者に振り回される地元の哀愁が漂う場所である。

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