顔が雑菌まみれに…“おしぼりで顔を拭く”は危険だった!?

顔が雑菌まみれに…“おしぼりで顔を拭く”は危険だった!?

うだるような暑さ、飲食店や喫茶店のおしぼりで思わず顔を拭いて、気持ちをすっきりさせたくなる人はいるだろう。だが、それは危険かもしれない。マナーの問題はさることながら、中には雑菌だらけのおしぼりもあるからだ。

 “おしぼりで顔を拭く”ことは「おじさんくさい」「品がない」など、マナー違反の行動としていつも賛否両論になるテーマ。過去のアンケート調査(「20代女子に“キモい”判定される40男の言動」)では、女性のおよそ半数が“おしぼりで顔を拭く”行為をNGマナーと認定していた。

 危険なのはそれだけではない。夏場で、厚生労働省の衛生基準を満たしていない貸おしぼりには1枚あたり10万を超える細菌がいるとも言われ、過去の東京都福祉保健局の調査では、約6割のおしぼりが基準値を超えていたことがある。日本では各自治体が抜き打ち調査を行ない、定期的な行政指導をしているほどの問題だ。

 もちろん現在は、この状況は改善されているだろう。しかし、管理が徹底されている今でも、雑菌の繁殖したおしぼりで顔を拭いてしまったがために目が腫れた男性の被害報告もある。「ひんやりしたおしぼりを出されて顔を拭いたら、目の周りが荒れて腫れた状態に…おしぼりから妙な臭いがしていた記憶はあるので、やっぱり顔を拭かないほうがよかったと後悔しています」(30代・不動産)

◆机に素手でおしぼりを広げる居酒屋も

 業者への管理は徹底されている。洗濯して使い回す「貸おしぼり」には衛生面で厳しい基準があり、変色や異臭がないことはもちろん、大腸菌群、黄色ブドウ球菌が検出されず、1枚あたりの一般細菌数が10万個を超えないことが望ましいなどの衛生基準が、厚労省の「環境衛生指導基準157号」で定められている。この指導基準に合格した工場から厳格に管理・出荷されており、品質をクリアした貸おしぼりの包装フィルムには「衛生マーク」の使用が認められるのだ。

 だが、業者の徹底した管理もムダになる場合がある。飲食店の大半が衛生管理を徹底するなか、焼き鳥系の居酒屋で働いた経験のある女性は、衛生面の杜撰さに驚いたと話す。

「わたしが働いていた居酒屋では、おしぼりを加温かごにキッチリ詰めるために、バイトにおしぼりを素手で机の上で広げさせて、巻き直してぎちぎちに詰めていました。雑菌が繁殖しておしぼりが臭うなんてことがあったら、いくら料理が美味しくてもお店の評判はよくならないですよね」(20代・居酒屋アルバイト)

 次は韓国の事例だが、過去にソウル市内の飲食店54か所のおしぼり・ウェットティッシュを調べた結果、6割を超える34か所から許容値を超える各種有害物質が検出されたことがある。ひどいところでは許容基準値の880倍を超える一般細菌が検出され、こうした問題を補完するために使用される使い捨てウェットティッシュからは、おしぼり以上に細菌が繁殖していることが確認された。

 おしぼりの衛生管理は、どのようにするのが適切なのだろうか?

◆介護現場もおしぼりは雑菌まみれに

 全国おしぼり協同組合連合会によると、おしぼりの消毒方法としては、さらし粉、次亜塩素酸ナトリウムの遊離250ppmの水溶液中に3分間以上浸す「塩素剤等による消毒」や、80℃以上の熱湯に10分以上浸すか、100℃以上の蒸気に10分間以上触れさせる「熱湯等による煮沸消毒」が推奨されている。

 もちろん、飲食店にとっておしぼりの不衛生さは命取りになるとの声もある。

「管理の悪い店で臭うおしぼりが出ると帰りたくなる」(20代男性・飲食業)、「おしぼりや美容院のタオルが臭うともう二度とその店の利用はやめる」(30代女性・アパレル)、「スナックで出してくれる温かいおしぼりが雑菌繁殖していて、手を拭くと臭ったからもう行きたくない」(40代男性・金融)

 こうした懸念は飲食店にとどまらず、介護施設などでも問題となっている。

 40代女性の介護職員は「わたしが働く特別養護老人ホームにはウォーマーがありましたが、高温で長時間温めると雑菌が繁殖するようで、監査で衛生的に問題ありと判断され使えなくなりました」と語る。患者の清拭に日常的に使っているおしぼりは、熱やアルコールに強く、洗濯しても容易に排除できないバチルス・セレウス菌によって、院内感染の原因となることがある。この菌は環境中に広く分布し、穀物や野菜などに付着し、おしぼりや雑巾にも生息することから、食中毒の原因菌として知られ、芽胞を作るので通常の消毒では殺菌できないのだ。

 “おしぼりで顔を拭く”ことには、思いのほか危険を孕んでいるようだ。

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