【舛添知事公私混同疑惑】舛添氏が都庁を退庁 セレモニーなし、終始無言…知事室持込みの美術品は舛添氏“自腹”で即、撤去へ
政治資金の公私混同問題などの責任を取り、21日付で辞職する東京都の舛添要一知事が20日、残務処理のために登庁した。都によると、21日は登庁の予定がなく、この日は都知事としての“最後の登庁”。退庁時には都職員による花束贈呈などの見送りのセレモニーもなく、ひそやかな退場となった。
舛添氏は午後4時、都庁2階ホールにエレベーターで降り立ち、無言で黒塗りの公用車に乗り込んだ。見送ったのは知事補佐官ら幹部8人のみ。舛添氏とともにホールに現れ、立ち去る舛添氏の車に向かって深々と頭を下げた。この日、舛添氏は午前10時前の登庁時も無言。退庁時には都庁を訪れた都民や外国人観光客らも集まり、スマートフォンを構えるなどして物珍しげに見守った。
都職員による見送りのセレモニーは長年、慣例として行われてきた。同じく任期半ばで都庁を去った石原慎太郎元知事の際には約1千人の職員らが都庁ホールを埋め、東京消防庁の音楽隊が映画「ロッキー」のテーマなどを演奏。女性職員が花束を手渡した。
5千万円受領問題で引責辞職した猪瀬直樹前知事の際にも、猪瀬氏の希望で規模は縮小したものの、幹部職員ら約60人がホールに集まり、拍手で見送った。
舛添氏のセレモニーがなかった理由について、都は「やるかどうかはルールがなく、ケース・バイ・ケース。今回はやらなかったとしかいいようがない」としている。
3時間待って、退庁する様子を見守った練馬区の無職、田鍋潔さん(64)は「なにか一言ぐらい話すかと思って待っていたが…。頭も下げずに行ってしまった。よほど恥ずかしかったのではないか」と述べた。
都によると、舛添氏が政治資金で購入し、知事室や応接室に持ち込んだ絵画などの美術品は21日までに撤去する。撤去費を都から支出する予定はなく、舛添氏側の負担になる見通し。