日本人のソウルフード「卵かけご飯」の魅力 続々と開発されるTKGの派生レシピ
クックパッドのトップページでロゴと並んでいちばん目立つ位置にある検索窓。この検索窓はユーザーのニーズをひもとくカギとなる。あの検索窓でユーザーは何を検索しているのだろう? クックパッドで今一番検索される食材を調べてみたところ、2016年1月から5月の5カ月間で検索された食材ベスト3は、キャベツ、豚肉、卵ということが判明した。
どの食材も年間を通して安定的に供給される食材である。手頃な価格、入手のしやすさ、そしてアレンジ幅の広さの3条件を備えており、結果として食材の食卓への登場回数が高くなるのであろう。中でもクックパッドでは卵を使うレシピが53万6742品も投稿されている。公開レシピの総数239万品(2016年5月30日現在)から鑑みると、クックパッドのレシピの約22%が卵を使って作られているものだということがわかる。
クックパッド編集部は、読むとお腹がすくようなニュースをモットーにしたクックパッドニュースを日々配信している。そのクックパッドニュースで、安定的な人気を誇るのが「卵かけご飯」に関するものだ。卵かけご飯は、今や「TKG」と略され親しまれている。王道の食べ方だけではない。混ぜ方、ちょい足しの仕方など、調理のバリエーションはどんどん増え、新たな食べ方を紹介するたびに、人気を博している。
なぜ卵かけご飯はこんなにも愛されるのだろうか。美味しさは大前提として、その理由は以下の3つだと予想する。
1、栄養価と価格の安さ
卵は良質なたんぱく質が豊富な完全栄養食であり、1個20円台前半から購入できるスーパー食材である。
2、失敗しらずの一食完結メニュー
卵を割って混ぜるだけなので、失敗知らず。誰もが同じように作ることができる。また、一食で完結するメニューでもある。
3、ちょい足しなどのアレンジ幅の広さ
クックパッドで卵かけご飯と共に検索されている食材はチーズ、納豆、ごま油、キムチ、バター、塩こんぶなど。和洋中も問わず、自分の好みに合わせて独創性を追求できる。
これには誰も異論を唱えられないだろう。
人気食材・卵と、日本人の主食であるご飯がタッグを組むことで、1つの完成メニューにまでのし上がったのが卵かけご飯だ。そんな卵かけご飯が、新たに進化しているのをご存知だろうか。その代表がTKP(卵かけパスタ)だ。卵をかけるのはご飯ではなく、パスタであるという非常にシンプルなレシピである。
ネーミングの面白さやシンプルな工程は卵かけご飯の良さそのもの。しかし、目新しさからか人気は卵かけご飯以上だった。TKPに関する記事は、卵かけご飯に関するそれの約3倍ものアクセス数を記録したのである。
実際にクックパッドでは、卵かけ◯◯=TK◯が多数投稿されている。TKU(卵かけうどん)、TKS(卵かけ白滝、蕎麦、素麺)、TKK(卵かけキャベツ)、TKT(卵かけ豆腐)、TKP(卵かけパン)、TKC(卵かけ中華そば、カレー)などなど。
どんなに時間がなくても炭水化物や野菜だけではそっけない。生卵を落とすだけで、黄色のぷくっとした黄身が食欲をそそり、栄養バランスを整えることができる。特別な調理道具も不要。卵かけご飯同様、人々はいろいろな食材に卵をかけて、卵かけご飯風に食べていたのだ。TKGになぞって名称をつけるあたりの工夫も見逃せない。
生卵を食べる習慣のない海外の人々にとっては信じられない、しかし、日本人であれば誰もが幼い頃から親しんでいるメニュー、卵かけご飯。卵は卵でも生卵を使うスタイルが、このような日本独自の文化を生んだのだ。そしてそれらは、今なお進化し続けているのだ。料理スキル不要の、老若男女誰にも支持される卵かけご飯は、現代日本の多様なライフスタイル・年齢・性別などの垣根を越えた、日本人の共通言語となるソウルフードと言える。
