ドイツ人はラーメンを「麺抜き」で注文する!? ドイツの意外なラーメン事情

ドイツ人はラーメンを「麺抜き」で注文する!? ドイツの意外なラーメン事情

ニューヨーク、東南アジア、ロンドン、パリなど世界各地で日本のラーメンブームが加速中なのは周知の事実。寿司や天ぷらのような海外での日本食定番メニューとなる日も遠くないだろう。そんな中、ドイツ各地でもラーメン屋が次々とオープンしている。そこで、ドイツのとある街のラーメン屋で働く鈴木氏(32歳・男性・仮名)に現地のラーメン事情を聞くと、日本のラーメン屋にはいない変わった客のエピソードを教えてくれた。

「ラーメンのスープだけ飲みほして、麺をひと口も食べずに残しちゃうお客さんがいるんだよね。ドイツ人はラーメンをスープ料理だと思ってる人が多くて、ラーメンを麺抜きで注文したり、スープだけ飲んで麺を全部残しちゃったり」

 鈴木氏は、「料金も変わらないし、もったいないな」と思いながら伸びきった麺が残る器を下げているとのこと。また、ラーメンをスープ料理だと捉えているドイツ人は、日本人からすると不思議な食べ方をするらしい。

「それと、スープ料理だからって、飲み物を頼まずにラーメンを食べる人も多いよ。ここではドイツ産の豚や鶏がらの出汁を使った日本風のラーメンを出してて、味噌ラーメンが一番人気なんだけど、飲み物なしで、味の濃い味噌ラーメンをずるずる食べているのを見ると、ちょっと驚いちゃうよね。日本じゃ考えられない」

 日本と異なりドイツの飲食店では、水にも料金が発生するので、食べ物を頼むときに水を頼まない習慣も影響しているのかもしれない。それにしても、熱々の味噌ラーメンを飲み物なしで1杯食べきるのはなかなか厳しい気がする。ほかには、日本ではまず言われない要望をされることがよくあるという。

「ドイツに観光で来たフランス人に多いんだけど、餃子を食べてるときにラーメンを出すと怒りだす人がけっこういるよ。たぶんフランスのコース料理みたいに、前菜の餃子を食べ終えて、小休憩してからメインディッシュのラーメンを食べたいみたい。基本的には、そうするようにしてるんだけどお店が混んでるとそういうわけにもいかないんだよね」

 たしかに、高級なフランス料理屋でオードブルを食べている最中にメインディッシュが運ばれてきたら少々嫌かもしれない。しかし、コース料理でもないラーメンと餃子をいっしょに出すと怒られるというのは日本ではあまり考えられない光景だ。むしろ、ラーメン屋で1品ごとの間隔を空けて出したりした方がクレームものだろう。

「あとは、サイドメニューの焼きそばを注文して、『蕎麦じゃない!』と文句をいうお客さんもちらほらいるなあ。そんなときは、『ラーメンも支那そばだけど、蕎麦とはちがうでしょ?』と説明するとなんとか納得してもらえるかな。ラーメンもヨーロッパで普及してきたって言われていて実際にドイツでもどんどん店ができているけど、まだまだ市民権を得ているとは言えないかな」

 このように、ヨーロッパでラーメン屋が次々とオープンしていると言われているが、日本のラーメン文化そのものが定着しているとは言い切れないようだ。しかし、そもそも日本のラーメンも中国から輸入して、日本文化に馴染むように独自に発展したもの。一昨年にはドイツのフランクフルトで大人気の「無垢」というラーメン屋が、横浜に2号店をオープンし話題になった。ドイツの郷土料理ザワークラフトをワインで煮込んだスープが人気の店だ。このように、これからはヨーロッパ独自のラーメン文化の逆輸入も増えていくかもしれない。そんなとき、ひょっとしたらヨーロッパ風のラーメン屋で日本人が変な客だと思われるなんてこともあるのではないだろうか。

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