増税延期:財政さらに悪化 巨額債務の削減困難
消費税率10%への引き上げが2年半延期されることで、国と地方で計1000兆円を超える巨額の債務を抱える財政の一段の悪化は避けられない。
国と地方を合わせた債務残高は過去10年、年30兆円前後のペースで増え続け、2014年度に1000兆円を突破。国内総生産(GDP)に対する比率は2倍を超え、先進国で最悪の水準だ。財政赤字で危機に陥ったギリシャ(15年に1.9倍)より悪い。少子高齢化で社会保障関係費が膨らんでいるのが主因。政府は毎年の予算編成で過去の債務を借り換えるのに手いっぱいで、根本的な債務削減はほぼ手つかず。それでも、日銀や国内金融機関が国債を購入し続けているため、財政破綻が避けられている。
政策経費を借金に頼らずに税収などでどれだけまかなえているかを示す基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)を20年度に黒字化するという目標を、政府は維持する。
PBは単年度の収支を示す指標で、前年度が赤字でも20年度に黒字になれば目標は達成されたことになる。しかし黒字化しても積み上がった債務が簡単に解消に向かうわけではない。安倍政権は「ニッポン1億総活躍プラン」など歳出増につながる政策も掲げているが、その一方で歳出削減に向けた具体的な取り組みは乏しいのが実情だ。
