「原爆の惨劇、忘れない」=米大統領、全犠牲者を追悼―歴史的な広島訪問
オバマ米大統領は27日夕、現職米大統領として初めて被爆地・広島を訪問した。オバマ氏は平和記念公園で被爆者らを前に「原爆投下の瞬間を想像する。歴史を直視し、このような苦痛を再び起こさないために何をしなければならないのかをただす責務がある」と演説した。その後、被爆者を抱き寄せ、言葉を交わした。
オバマ氏は2009年1月の大統領就任時から被爆地訪問を模索、7年越しの実現となった。一方、米大統領に原爆投下の事実と向き合うよう求めてきた被爆者にとっては、長年の願いがかなう歴史的訪問となった。
オバマ氏は約17分間の演説で「広島を訪れるのは朝鮮人と米兵捕虜を含む10万人を超える(原爆の)死者を追悼するためだ」と切り出し、戦争が罪のない市民に多大な悲劇をもたらしたと指摘。その上で、核兵器に対する恐怖の論理から抜け出す勇気を持ち、09年4月のプラハ演説で提唱した「核兵器なき世界」を追求しなければならないと訴えた。
また、かつて戦火を交えた米国と日本の関係にも言及し「同盟だけでなく、友情も育んだ」と強調した。広島と長崎の未来は「核戦争の夜明けではなく、われわれの道徳的な覚醒のスタートである」と結んだ。大統領に同行した安倍晋三首相は「世界中のどこであろうと、このような悲惨な経験を繰り返させてはいけない。核兵器のない世界を必ず実現する」との決意を示した。
オバマ氏はこれに先立ち、原爆死没者慰霊碑に献花。拝礼はしなかったものの、神妙な面持ちで十数秒間黙とうした。演説後には、式典に招待された日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の坪井直代表委員(91)=広島市=ら2人の被爆者と通訳を交えて言葉を交わした。
