三菱自下請け、1千人超に影響 燃費偽装で雇用打撃
三菱自動車の燃費偽装で、下請け企業の従業員の仕事が奪われている。軽自動車の生産が止まった水島製作所(倉敷市)がある岡山県が24日まとめた調査では、休業や教育訓練、出向など従業員の雇用調整をした企業は28社あった。県の関係者によると、約1050人が影響を受けた。解雇や雇い止めをするのは10社で、約100人が職を失うという。
雇用への影響を行政が詳しくまとめるのは今回が初めて。予定を含めると雇用調整をするのは33社で、調査に三菱自との取引があると答えた166社の約20%にあたる。33社の影響人数はのべ約1850人になる。人数と休む日数で計算すると、のべ約1万2100人分の仕事が影響を受ける。
水島製作所は再開のめどは立っておらず、下請け企業は売り上げが減っている。帝国データバンクの4月下旬の調査では、三菱自の下請け企業は直接取引する1次と、そこと取引する2次だけで全国に7777社。働く人は約41万2千人いて岡山県以外でも影響が出ている恐れがある。
岡山県は県内の中小企業622社にアンケートを配り、返信があった255社の回答をまとめ、24日午前の県議会で報告した。雇用調整について、13日までの実績と14日以降の予定をまとめた。
三菱自の燃費偽装、下請け打撃 部品の山… 雇用にも影
三菱自動車の燃費偽装で、下請け企業が苦境に立たされている。軽自動車の生産を止めている水島製作所(岡山県倉敷市)の周辺では、操業停止が下請けに波及し、派遣社員の仕事も失われつつある。三菱自と取引がある企業は全国に多数あり、影響の広がりが懸念される。
水島製作所では、6日も人影はまばらで、門の上に飾られた生産停止中の軽「eKスペース」が静かに雨に打たれていた。
そこから約10キロ離れた3次下請け部品工場。田畑に囲まれた自宅脇の倉庫に、納品するはずだった製品の箱が積み上がっていた。
「こんだけ作ったのはええが、誰か補償してくれるんじゃろうか」。70代の男性経営者はため息をつく。4月20日の偽装発覚翌日から受注も納品も止まった。
30年ほど前に会社を立ち上げ、自動車部品は三菱一本で仕事をしてきた。2次下請けが成型した軽自動車の内装やエンジン周りの部品に、スポンジ状の防音材を手作業で貼り付ける。利益は1個30円ほどで、1日千個前後を納めてきた。
従業員3人では手が足りず、近所の女性10人に内職を頼んでいた。「この辺りは、そんだけ三菱系の仕事のすそ野が広いんよ」。問題発覚後、内職を断ると、「一日でも早う仕事を持ってきて」と言われた。「いつまでも生産が再開されなんだら、どうなるんじゃ」と経営者の不安は募る。
三菱自の部品を数十年作ってきた倉敷市の3次下請けも生産を止めている。専務(58)によると、売り上げの9割が三菱自だった。問題発覚後、溶接した部品に油をふきかけ、空気が入らないようにポリ袋とラップのようなフィルムを巻いた。「とりあえずさびんようにしとるだけ。ほかのこと、できんしな」