三菱自2013年に発売したPHVでも偽装…「正しく測定」一転

三菱自、PHVでも偽装…「正しく測定」一転

三菱自動車の燃費偽装問題で、三菱自が2013年に発売したプラグインハイブリッド車(PHV)「アウトランダーPHEV」の燃費を調べるための走行データを測る際、法令で定められた重量より軽い車両を使い、机上計算で補正していたことがわかった。

4月20日に軽自動車の燃費偽装が発覚した後に行った社内調査で判明した。5月11日の記者会見では公表していなかった。

三菱自はこれまでアウトランダーPHEVについて、法令で定めた「惰行法」という走行試験のやり方で測定していた3車種の一つで、正しい方法で測定していたと説明し、現在も販売中だ。新たな不正が見つかり、三菱自のずさんな実態が改めて浮き彫りになった。

関係者によると、タイヤと路面の摩擦や空気抵抗のデータ「走行抵抗値」を測る際、本来は荷物を積んだ状況などを再現するため、車両重量に一定の重さを加えて走行試験を行う必要がある。三菱自は、この手順を怠り、重量の違いによる測定値の変化を机上で計算したデータを審査機関に提出したという。

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三菱自下請け、1千人超に影響 燃費偽装で雇用打撃

三菱自動車の燃費偽装で、下請け企業の従業員の仕事が奪われている。軽自動車の生産が止まった水島製作所(倉敷市)がある岡山県が24日まとめた調査では、休業や教育訓練、出向など従業員の雇用調整をした企業は28社あった。県の関係者によると、約1050人が影響を受けた。解雇や雇い止めをするのは10社で、約100人が職を失うという。

 雇用への影響を行政が詳しくまとめるのは今回が初めて。予定を含めると雇用調整をするのは33社で、調査に三菱自との取引があると答えた166社の約20%にあたる。33社の影響人数はのべ約1850人になる。人数と休む日数で計算すると、のべ約1万2100人分の仕事が影響を受ける。

 水島製作所は再開のめどは立っておらず、下請け企業は売り上げが減っている。帝国データバンクの4月下旬の調査では、三菱自の下請け企業は直接取引する1次と、そこと取引する2次だけで全国に7777社。働く人は約41万2千人いて岡山県以外でも影響が出ている恐れがある。

 岡山県は県内の中小企業622社にアンケートを配り、返信があった255社の回答をまとめ、24日午前の県議会で報告した。雇用調整について、13日までの実績と14日以降の予定をまとめた。

三菱自の燃費偽装、下請け打撃 部品の山… 雇用にも影

三菱自動車の燃費偽装で、下請け企業が苦境に立たされている。軽自動車の生産を止めている水島製作所(岡山県倉敷市)の周辺では、操業停止が下請けに波及し、派遣社員の仕事も失われつつある。三菱自と取引がある企業は全国に多数あり、影響の広がりが懸念される。

 水島製作所では、6日も人影はまばらで、門の上に飾られた生産停止中の軽「eKスペース」が静かに雨に打たれていた。

 そこから約10キロ離れた3次下請け部品工場。田畑に囲まれた自宅脇の倉庫に、納品するはずだった製品の箱が積み上がっていた。

 「こんだけ作ったのはええが、誰か補償してくれるんじゃろうか」。70代の男性経営者はため息をつく。4月20日の偽装発覚翌日から受注も納品も止まった。

 30年ほど前に会社を立ち上げ、自動車部品は三菱一本で仕事をしてきた。2次下請けが成型した軽自動車の内装やエンジン周りの部品に、スポンジ状の防音材を手作業で貼り付ける。利益は1個30円ほどで、1日千個前後を納めてきた。

 従業員3人では手が足りず、近所の女性10人に内職を頼んでいた。「この辺りは、そんだけ三菱系の仕事のすそ野が広いんよ」。問題発覚後、内職を断ると、「一日でも早う仕事を持ってきて」と言われた。「いつまでも生産が再開されなんだら、どうなるんじゃ」と経営者の不安は募る。

 三菱自の部品を数十年作ってきた倉敷市の3次下請けも生産を止めている。専務(58)によると、売り上げの9割が三菱自だった。問題発覚後、溶接した部品に油をふきかけ、空気が入らないようにポリ袋とラップのようなフィルムを巻いた。「とりあえずさびんようにしとるだけ。ほかのこと、できんしな」

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三菱自、車種削減へ=得意分野に集中

三菱自動車は車種を削減する方向で調整に入った。開発体制と不釣り合いな車種数が燃費データ不正問題を引き起こした要因の一つになったとみているためだ。自動車業界ではマツダなども資金や人材など経営資源を得意分野に集中させており、三菱自も削減車種の選定を急ぐ。

 三菱自は今年3月、スポーツセダンの人気車種「ランサーエボリューション」の生産を終了。同社の国内生産は、不正のあった軽自動車4車種の生産が停止したため、現在は9車種に減っている。益子修会長は燃費問題と日産自動車からの出資受け入れを踏まえ、「思い切って(車種を)見直す」と語り、さらに車種を絞り込む考えだ。

パジェロなど5車種も不正=相川社長が辞任表明-背景に「経営陣の期待」・三菱自

三菱自動車は18日、軽自動車4車種で判明した燃費試験データの不正操作問題で、データの机上計算などの不正が「RVR」「パジェロ」など軽以外の5車種でも明らかになったと発表した。国土交通省に同日提出した4回目の社内調査の報告に盛り込んだ。不正の拡大で信頼回復は一段と厳しさを増している。

 記者会見で相川哲郎社長は「大変な迷惑と心配を掛けた責任を取る。開発部門の抜本的改革のために身を引く」と述べ、6月24日の定時株主総会で開発担当の中尾龍吾副社長とともに辞任すると表明した。後任の社長は今後決めるが、益子修会長は新たな経営体制の発足まで現職にとどまり、報酬全額を自主返納する。開発部門トップは、資本業務提携で基本合意した日産自動車から招く。
 報告は、三菱自が販売した「eKワゴン」と日産に供給した「デイズ」など軽4車種で燃費のかさ上げが行われた背景について、経営陣による開発日程の短縮や高い燃費目標を期待する発言が「結果的に不正が生まれる環境をつくった」と分析したが、経営陣の直接の指示は否定した。

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