【熊本地震】「避難後、帰宅し被災」が2割 被災者300人アンケート 発生から1カ月
震度7の揺れに相次いで襲われた熊本地震は14日、発生から1カ月が過ぎた。産経新聞社は、地震災害に詳しい大阪市立大の宮野道雄特任教授の協力を得て、熊本県内の4市町村で被災者308人を対象にアンケートを実施。前震の28時間後に発生した本震の際、被災者の約6割が自宅にいたことが明らかになった。前震でいったん避難したにもかかわらず本震までに自宅へ戻った被災者は全体の約2割にのぼった。
短期間に震度7の揺れが2度発生した熊本地震では、被災者が避難先から自宅へ戻り、本震で亡くなったケースもある。アンケート結果は地震の際の避難行動に、新たな課題を浮かび上がらせた。
調査は5月2〜11日、熊本市と熊本県益(まし)城(き)町(まち)、南阿蘇村、西原村の避難所などで実施。計308人から回答を得た。
「本震が起きたとき、どこにいたか」との質問では、56%にあたる171人が「自宅」と回答。このうち、全体の20%にあたる63人は前震で避難したが、本震までに自宅へ戻っていた被災者だった。
一方、38%の117人はマイカーなどの車中を含む「避難先」と回答。前震で避難していたため、午前1時25分という未明の発生にもかかわらず本震では難を逃れた。
宮野教授は「本震までに自宅へ戻った人も相当数いたようだが、もう一度大きな地震が来ると思った人は少なかったのではないか」と指摘。前震、本震と続いた一連の揺れについて、気象庁は「地震学上、予測するのは困難だ」としており、宮野教授は「自宅へ戻る場合は万が一を考えて最大限の注意を払うなど、今回の経験を生かすことが大切だ」と述べた。
また、「避難生活をいつごろ終えることができると思うか」との質問に、被災者の63%にあたる194人が「めどはない」と回答する一方、「熊本を離れて他の土地に住みたいという気持ちがあるか」との質問に対して86%の265人が「ない」と回答。その理由としては「愛着がある」を挙げた被災者が175人で、最も多かった。
熊本を離れたいという気持ちが「ある」と回答した被災者からは、「地震が怖い」や「家を失った」が理由に挙がった。宮野教授は「多くの人々が地元にとどまりたいと思っていることは復興へ向けた大きな力になる」としている。
