仏羽毛大手社長「産地偽装、10年前から知っていた」「仏産の半分超が産地偽装」

「産地偽装、10年前から知っていた」 仏羽毛大手社長

フランスの大手羽毛会社「インタープルーム」のJ・P・カティス社長が、日本の「産地偽装」について語った。

――日本で羽毛布団の産地偽装が行われているのを知っていますか。

 私は約10年前から、日本で「フランス産」として売られた羽毛布団が、実際にはよその国の羽毛を使っていたり、混ぜられたりしていることを知っていました。日本にいる我々の同業者の話を聞く限りでは、「フランス産」羽毛布団の半分が、完全なフランス産ではありません。

 なぜ、よその国の羽毛を混ぜるのか。それは仕入れ価格を下げるためです。ただ、高級車のアストン・マーチンはフィアットの値段では買えないようにフランス産の羽毛は中国産の値段では買えません。物の値段は品質や管理、製造技術でも違ってくるし、羽毛は自然の物なので量に限りがあり、本物の相場が大きく狂うことはありません。

――あなたの懸念は、日本で偽の「フランス産」羽毛ふとんが安く売られると、本場の「フランス産」羽毛ふとんが価格競争で勝てなくなることですか。

 いいえ。「産地偽装」で一番被害を受けるのは消費者です。良い商品と思ってフランス産の羽毛布団を買ったのに、もっと質の悪いものを買わされることになるのが問題だと思います。

羽毛布団「仏産の半分超が産地偽装」 業界団体が警告文

実際とは異なる産地が表示された多数の羽毛布団が市場に出回っている疑いが出ている。事態を重く見た羽毛布団の業界団体はフランス産として売られている羽毛布団について「半分以上は産地偽装」などとする警告文書を加盟社に送付したが、消費者には知らせていない。羽毛業者は「加工過程の中国で、高価な欧州産に低価格の中国産を混入させ水増ししている」と証言する。

羽毛布団メーカーなどでつくる日本羽毛製品協同組合(日羽協)によると、羽毛布団の国内販売枚数は年間約320万枚あり、その約半数の羽毛布団が中に詰める羽毛について主にフランスやハンガリー、ポーランドなど欧州の産地を表示しているという。残りは無表示や中国産などだ。

 朝日新聞は日羽協が100社を超える加盟社に宛てた内部文書を2通入手。1通は2014年5月付で「適切な産地表示の徹底について」とあり食品偽装の社会問題化を受けて、「羽毛原料の国別輸入実績以上の欧州及び北米産表示の羽毛布団が市場にあふれている」と注意を促した。15年の財務省統計によると、羽毛原料の輸入先は中国が48%、台湾が29%で欧州・ロシアは17%だ。

 だが改善されず、15年1月に、もう1通を配布した。「羽毛の原産地の偽装表示について」として、フランス産については「半分以上は偽装と思われる」。ハンガリー産などについても「産地の信憑性(しんぴょうせい)に欠ける。原産地の偽装表示は景品表示法違反や詐欺罪が適用される」と強く警告した。

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