実は抜いてもOK?必ずしも「朝食」を食べなくてもいい5つの理由
健康のためにもダイエットのためにも、「朝食を欠かしてはならない」といわれる。
食育の観点からも朝食の重要性が指摘されて久しいが、最近の研究では、みんなが思っているほど朝食は私たちの体に影響しないことが明らかになっている。
そこで朝食にまつわる5つの常識に迫り、「朝ごはんは食べなきゃいけないの?」「食べなくても良いの?」「どっちなの?」といった疑問にお答えしたい。
1.朝食が一番大事?
「1日の食事の中で朝食が一番大事」と親をはじめ多くの大人たちから口酸っぱくいわれ、起き抜けに朝食を詰め込んできた人も多いのでは?
朝食を食べると最も健康的に体を満たすことができ、昼食までその満足感は続くという。朝食を抜くと、ランチでの満足感は確かに増すが、健康的とはいえないとか。
しかしその一方、朝食をきちんと食べた人と、食べなかった人の健康状態を比較した結果、大きな違いはなかったとの調査結果もある。つまり食べるか食べないかではなく、「何を食べるか」の方がより重要とのこと。
2.朝ご飯を食べた方が頭が働く?
「朝食を食べると脳が活性化する」「朝ご飯を食べないと頭が働かない」と信じてやまない人々がいるが、実は事実無根だとか。
但し年齢に関係なく、人は空腹ではないときの方が優れた認知機能を発揮することもわかっている。
つまり朝お腹がすいていれば、朝食を食べた方が頭は働くが、空腹でなければ無理に朝ご飯を詰め込んでも、脳の回転には無関係だという。
3.朝食を食べると空腹感が抑えられる?
朝ご飯を食べないと、後々ドカ食いしてしまう…そう思われがちだが、米コーネル大学が最近行った調査で、確かに朝ご飯を抜くと空腹感は増したが、その後1日を通じて余計なカロリーを摂取することはなかったという。
4.痩せたいなら朝食を摂るべき?
朝食をしっかり食べると、1日を通じて食欲を抑えらえるとか、ダイエットするなら朝ご飯を食べた方が良いといわれる。
しかし米バンダービルト大学が行った調査では、朝食を食べる、食べないは減量には影響しないことがわかった。
5.朝ご飯を食べると代謝が上がる?
朝ご飯を食べた方が代謝、特に安静代謝率がアップすると信じられている。代謝が上がれば効率的にカロリーを燃やせる気がするが、残念ながら確かな証拠はないそうだ。
いずれにせよ、「朝食は大事!」だというから無理やり食べるのではなく、自分の体が発する声や食欲に従った方が良さそうだ。
朝食をとるべきか抜くべきかを医師が解説 人によって違いあり
みなさんは朝ごはん、食べていますか?朝食に関しては「食べたほうが仕事を頑張れる」という人がいたり「食べないほうが集中できる」なんていう人もいたりと、人によってさまざまです。出版されている朝食に関する本でも「食べる派」と「食べない派」に分かれていますよね。パフォーマンスに限らず、「朝はたっぷり食べて夜ご飯を抜けば痩せる!」「いやいや朝は食べないほうが痩せる!」などと、ダイエットに関しても朝食を食べるべき派VS食べないべき派で熾烈な論争が繰り広げられています。結局、朝食は食べるべきなんでしょうか?それとも、食べないべきなのでしょうか。いろいろな意見であふれるこの争いに決着をつけるべく、ここでは医師・山田洋太先生に「朝食をとるべきかどうか」をお伺いしてきました!
■ 先に結論から言ってしまうと…
朝食を食べるべきか食べないべきか、それは一概にいえるものではありません。年齢や生活スタイルなどによって、朝食をとるべきか抜くべきかは違ってくるそうです。では、朝ごはんのよりよい食べ方とはどんなものなのでしょうか?どんな人が朝食をとるべきなのか、どんな人なら朝食を抜くべきなのか。またとるとすれば何を食べるのが適切なのか、詳しく見ていきましょう!
■ 朝食をとるメリットとデメリット
◎メリット
人は寝ている間にもエネルギーを消費しています。そのため、朝起きたときにはエネルギーが不足した状態になっていることも。そのため、朝起きた後はぼーっとした頭でなかなか力が出てこないこともあるのではないでしょうか?朝ご飯を食べることで、不足しているエネルギーが補充され、脳が活発化されます。エネルギーは脳を動かす働きも担っているので、集中力や記憶力の面でも効果的です。
◎デメリット
朝食には1日を活動的にするための効果がありますが、一方で前日に食べ過ぎてしまった場合にはエネルギーが使い切れずに余っていることもあります。いわゆる「過食」です。成長期でない大人の場合、使われないエネルギーは脂肪として蓄積され、肥満へと近づいていきます。エネルギー不足の場合には朝食は必要とされますが、そうでない場合は抜いても問題ないそう。むしろ朝食を抜くことで健康的な身体に近づくとも考えられているそうです。
■ 朝食を抜く人は肥満になりやすいって本当?
海外の論文や研究結果のなかでは「朝食を抜く人は肥満になりやすい」なんていうデータが出ているそうですが、これって本当ですか?
> 山田先生「肥満の人って、朝ご飯を食べたり抜いたりと生活リズムが整っていないことが多いんですよ。だから、朝食を抜くことで肥満になるのではなくて、肥満の人の多くが生活リズムが整っておらず、朝食を抜いているっていうことだと思うんです」
なるほど…!朝食を抜くこと自体が肥満の原因になるわけではなく、朝食をとったり抜いたりとバラバラで生活リズムが整っていないことが肥満の原因なんですね。
■ 朝食をとったほうがいい人と抜いたほうがいい人の違い
◎朝食をとったほうがいい人って?
生活リズムが整った生活を送っている場合に、朝食をとったほうがいいのはどんな人ですか?
> 山田先生「僕はやっぱり10代の成長期や育ち盛りの子たちは朝食を食べたほうがいいと思います。親と一緒に暮らしているうちは規則正しい生活を送っているはずだし、一般的に見ても育ち盛りのうちは朝ご飯を食べたほうがいいと言われています。筋肉の質もいいので、食べた分だけのカロリーを消費しやすいのも理由のひとつです」
たしかに成長期のときは恐ろしいくらいに食欲がわいていました…。無理してダイエットをするよりも、きちんと食べたほうが健康的ですね。
> 山田先生「あと、10代までは朝食をとったほうが成績アップや肥満予防にもつながるっていうのが研究結果から明らかにされていると言っていいと思います」
身体の成長といった面だけではなく、肥満予防としても朝食をとったほうがいいようですね。学業に専念する学生は朝食を食べるほうメリットが多そうです。成長期や育ち盛りのときは朝食は抜かずに食べるのがベター。
◎朝食を抜いたほうがいい人って?
反対に、朝食を抜いたほうがいいのはどんな人ですか?
> 山田先生「大人になると、自分の食生活を管理してもらうことって少ないですよね。小さいときはおかしを食べすぎたらいけないって親に言われていたと思うんですが、大人になったら自分の裁量で食べちゃうじゃないですか。だから成人を過ぎていれば生活リズムを整えるために朝ご飯を抜くのもありだと思います。現に僕も今朝ご飯を食べていなくて、1日2食にしているんです」
山田先生も朝食を抜いてらっしゃるんですね!大人になったら朝食を抜いたほうがいいんですか?
> 山田先生「明らかに食べ過ぎた日の翌朝や、健康を害するくらいに太っている人は抜いたほうがいいかもしれません」
「前夜が焼き肉で食べ過ぎてしまった」「胃もたれがしている」なんていう人は、無理して朝食をとる必要はないそうです。むしろ朝ご飯を食べることで食欲が増し、余計に食べ過ぎてしまう可能性もあるのだとか。生活リズムが整っているのであれば、朝食は抜いても問題ないようです。
◎朝食を抜いたほうがいい年齢って?
育ち盛りの10代が朝食をとったほうがいいなら、反対に朝食を抜いたほうがいい年代ってありますか?
> 山田先生「20代のうちは運動をすれば痩せるんです。でも30代を過ぎると運動だけでは痩せにくい。だからダイエットをしたい人は食事制限をする必要が出てきます。そういった場合はできる範囲で朝食を減らしたり抜いたりするのもありですね」
運動だけで痩せにくい年齢なった場合、ダイエットする際には「朝ご飯はフルーツだけ」「野菜だけ」など炭水化物を抜いてバランスを整えるのがいいようです。30代を過ぎてダイエットをするなら朝食を抜くのも手だそうです。
■ 「朝○○ダイエット」は効果があるの?
ところで「朝バナナダイエット」や「朝りんごダイエット」など、朝ご飯を置き換えることでダイエット効果がある!なんて言われていますが、朝○○ダイエットって本当に効果はあるんですか?
> 山田先生「あれは朝食を食べていた人がバナナやりんごに置き換えるから効果があるんです。全体的なカロリーが減るんですから、当たり前といえば当たり前なんですよね。反対に、いつも朝ご飯を抜いていた人が朝バナナダイエットや朝りんごダイエットに挑戦したからといって痩せません」
確かに言われてみればごもっとも…。もともと朝ご飯が少なかった人や、朝食を抜いていた人が朝ご飯にバナナを食べるようにしたところでさほど効果は見られないようです。
> 山田先生「朝○○ダイエットをやるなら、続けられるように飽きない食べ物を選ぶと成功しやすいですね。要は炭水化物を抜けばいいんです。炭水化物抜きのダイエットが一番はやく効果がでるので、ダイエットも続きやすいですよ」
日頃朝食をとっている人でダイエットを考えている人は、朝ご飯の内容を変えてみるのもいいかもしれませんね!「朝○○ダイエット」はもともと朝ご飯を食べていた人がトライすると効果的だそうです。
■ 結論:朝食は自分の生活スタイルによって決めるべし!
というわけで、朝食をとるべきか抜くべきかは、年齢や生活スタイルによっても大きく変わってくる結果となりました!1日じゅう座りっぱなしの仕事の人が朝食をとりすぎれば太ってしまうし、午前中から運動をする人が朝食を抜くと疲れやすくなってしまいます。生活リズムを整えてストレスをなくしつつ、自分の生活スタイルに合った朝食を選んでいきたいですね!
◎取材協力
山田洋太先生:企業の健康管理システムなどを手がける株式会社iCARE 代表取締役、医師。金沢大学医学部医学科卒業後、沖縄県立中部病院、久米島の離島医療を経て慶應義塾大学大学院経営管理研究科(MBA)修了。会社経営と医師としての診療の双方を並行して行っている。
