仏自動車最大手PSAに立ち入り調査、排ガス不正の疑い
フランスの自動車最大手PSAグループ(旧PSAプジョー・シトロエン)は21日、自動車業界を揺るがす排ガス不正問題をめぐる捜査の一環で、仏経済財務省の競争不正抑止総局(DGCCRF)の立ち入り調査を受けたことを明らかにした。
DGCCRFの発表によると、独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の排ガス規制逃れを受けて行われた排ガスの大気汚染物質試験で、PSAの3車種に有害な排ガス排出量の「異常」が見つかったため。
立ち入り調査は、首都パリ(Pars)市内4か所と東部モンベリアル(Montbeliard)にあるPSAの施設、計5か所で行われた。PSAは、捜査に全面協力していることを強調するとともに、同社の車両が「拠点のある全ての国で排ガス規制を順守している」ことを確認したと発表した。
仏当局は、仏自動車2位のルノー(Renault)にも3か月前に突然立ち入り調査を行っている。
■VW、不正車両の買い戻しで合意
一方、一連の排ガス不正問題の発端となったVWは21日、排ガス規制を逃れるソフトウエアを不正に搭載していたディーゼル車およそ48万台について、米国内の所有者に対し「十分な補償金」を支払って修理を行うか、同社が買い戻すかを提案することで米当局と合意に達した。
排ガス試験における不正は三菱自動車(Mitsubishi Motors)でも発覚しており、60万台以上の車両で燃費を実際より良く見せるデータの不正操作を行っていたことを認めた同社の株には売りが殺到。わずか2日間で市場価値は25億ドル(約2700億円)も下落している。
赤字2000億円…不正対策2兆円計上 12月期
ディーゼルエンジン車の排ガス不正問題を起こした独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は22日、2015年12月期決算の最終(当期)損益が、15億8200万ユーロ(約2000億円)の赤字に転落したと発表した。前年は108億4700万ユーロの黒字だった。独DPA通信によると、赤字額は過去最大。不正対応費用として、162億ユーロ(約2兆円)を計上したことが響いた。不正が経営に大きな打撃を与えた形となった。
15年の世界販売台数は中国などでの販売低迷が響き、前年比2.0%減の993万台にとどまった。売上高は前年比5.4%増の2132億9200万ユーロだった。
VWは21日、米国内の不正対象車両を買い戻すか金銭補償することで、米当局と大筋合意した。対象は48万台に達する異例の規模。ロイター通信は、米国での顧客対応費用だけで総額100億ドル(約1兆1000億円)に達するとの見通しを報じた。
全世界の不正対象車の約8割が集中する欧州についても、消費者団体などからは買い取りや補償を求める声が出ているほか、米当局からは最大180億ドルの民事制裁金も科せられる見込みで、損失がさらに膨らむ可能性もある。VWのミュラー会長兼最高経営責任者(CEO)は記者会見で「現時点で正確に費用を予測するのは不可能だ」と述べた。
