熊本地震で堤防にひび割れ多数 大雨で決壊のおそれも

熊本地震で堤防にひび割れ多数 大雨で決壊のおそれも

一連の熊本地震によって、熊本市や周辺を流れる主要な川の堤防で、クラック(亀裂)と地盤沈下が計100カ所以上できたことが国の調査で分かった。大雨が降れば決壊のおそれもあるとして、専門家は早急な対策を求めている。

 熊本市は中心部を蛇行する白川や、市南部を流れ、多くの支流を持つ緑川の流域。いずれも1級河川で、国土交通省によると、両水系の氾濫(はんらん)では最大50万人が住む地域が被災するとされる。

 同省熊本河川国道事務所が14日の前震と16日の本震の後で、白川の約17キロと緑川水系の約55キロを調べたところ、堤防が地盤沈下して波打ったり、堤防上の道路に最長で約300メートルのクラックができたりしていた。堤防を横切る形のひびも見つかった。地震による液状化などが原因とみられるという。

 堤防が地盤沈下すると、従来の想定水位より低くても洪水が起こる可能性があるため、本来の基準より警戒の対応を強めている。

 同事務所は前震の翌15日から、クラックにモルタルや土砂を入れる工事を行い、21日中の完了を目指す。今後、堤防を造り直すなどの復旧工事をする。「地震で明らかに堤防が弱くなっている。応急処置はほぼ終わったが何が起こるかわからない。緊迫感をもって対応している」と話す。

 緑川水系を調べた東京電機大の安田進教授(地震・地盤工学)は「相当な被害が広範囲にある。梅雨や台風が来る6月までに復旧させなければ、昨年の鬼怒川のような被害につながる可能性がある」と指摘する。

 21日の降雨を前に、地震の影響で白川の堤防の一部が壊れる恐れがあるとして、熊本市は20日、一部地域の住民に避難勧告を出した。

熊本地震「収まったように見えるが活発」 気象庁

熊本県などの一連の地震で、14日以降に起きた震度1以上の地震の回数は21日、770回を超え、熊本地方のマグニチュード(M)3・5以上は同日午後1時半現在で200回に達した。20日以降震度5弱以上の地震は観測されていないが、気象庁は今後の見通しについて「収まったように見えるかもしれないが、活発な状況は続いている」と警戒を呼びかけている。

一方、21日の被災地は雨に見舞われ、益城(ましき)町では1時間で19・5ミリの降水量を記録。南阿蘇村は午前6時ごろから午後4時すぎまでに100ミリ以上、熊本市では午前5時ごろから70ミリ以上を観測した。同庁は「地盤が緩んだ場所で土砂災害に注意してほしい」と呼びかけている。

421億円、22日に繰り上げ交付=普通交付税、県と16市町村に―熊本地震

政府は21日、熊本地震による被災自治体の財政負担を軽減するため、繰り上げ交付を希望している熊本県と県内16市町村に対し、普通交付税421億円を交付することを決めた。

 安倍晋三首相は同日の非常災害対策本部で、「当面の対応にかかる資金繰りを円滑にするため、22日に早速交付する」と表明した。

 普通交付税は毎年度、4、6、9、11月の年4回に分けて交付されるが、6月分の一部を前倒しする。

 首相は対策本部で、「発災から1週間が経過した今、最も大切なことは、(被災者が)一刻も早く、避難所や自動車での不自由な状態から、安心して過ごせる住まいに移ってもらうことだ」と強調。政府が自治体と協力して確保した旅館・ホテル、公営住宅、民間賃貸住宅の提供を急ぐよう指示した。

 一方、政府は21日、国内外からの義援金受付窓口を設置した。期間は6月末まで。

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