インフルエンザは高熱が特徴、最も危険なのはインフルエンザA型!予防法は2種類

インフルエンザの症状

インフルエンザは高熱が特徴

いわゆる風邪とインフルンザの症状は、咳、喉の痛み、発熱するなどは変わりません。違うのは体温上昇の程度です。インフルエンザでは発熱するとすぐに38℃を越えてしまいます。人の体温は目覚めたときより夕方の方が高くなりますが、朝から38℃以上の発熱があった場合は要注意です。

■インフルエンザで起こる症状

  • 時間帯を問わず、38℃を越える高熱がある
  • 寒気・震え(特に発熱する直前)
  • 倦怠感
  • 頭痛
  • 関節痛・筋肉痛
  • 喉の痛み
  • 咳(起こらない場合もある)
  • 鼻水(ウイルスがいるので感染性あり!)
  • くしゃみ(ウイルスがいるので感染性あり!)

インフルエンザは潜伏期間が短いので、朝から発熱したまま学校や会社に行くと、集団感染してしまうことも十分あります。ただし、発熱する前から感染性はあるので、学校では学級閉鎖をしても集団感染を完全には予防できません。

インフルエンザは法律で定められている「感染症」です。普通の風邪と違い、感染した人は集団感染を予防するために出勤や登校をしてはいけない等と定められています。小児や高齢者の場合は、重症になることもあるからです。

小児での解熱は慎重に

インフルエンザの主な症状は発熱です。小児では熱性痙攣(ねつせいけいれん)といって、発熱に伴って痙攣発作を起こす事があります。ところが発熱に対して解熱剤を使うとかえって「インフルエンザ脳症」という最も重い合併症のきっかけになる可能性が指摘されています。

インフルエンザ脳症では脳に重い障害を伴う後遺症が残る事があります。小児に成人と同じ薬剤を使うことは避けた方が賢明です。小児科領域では強い解熱剤は使わない方向となっています。氷やアイスパック(保冷剤)を用いて物理的に体温を下げる事は症状の緩和になります。アセトアミノフェンという解熱剤は安全性が高いとされています。

高齢者には肺炎が危険

高齢者のインフルエンザで恐いのは肺炎(肺炎球菌による肺炎)を合併した場合です。ペニシリンなどの抗生物質で治ると思われていますが、抗生物質は肺炎の病期を短縮するものの、肺炎の死亡率自体を下げる結果は出せていません。高齢者に対するインフルエンザワクチン接種が推奨される理由の一つです。

インフルエンザウイルスは大きく3種類に分けられます。主な種類と特徴についても知っておきましょう。

最も危険なのはインフルエンザA型!

一言でインフルエンザウイルスと言っても、大きくA型・B型・C型の3つに分けられます。ウイルスが突然変異しやすいものは、ワクチンでの対策が難しくなりますので、その分危険といえます。 

インフルエンザウイルスの特徴
<A型>
とても危険性が高い
ウイルスが変化しやすく、世界的に流行することがあるので注意が必要

<B型>
危険性は高い
症状が重くワクチンに含まれているが、一度罹ると、二度目の感染の確率は低い

<C型>
危険性は低い
症状が軽くて多くの人が免疫を持っているのでワクチンの対象になっていない。

いわゆる「新型インフルエンザ」は、ほとんどの人が免疫を持っていない新しいA型インフルエンザのことです。よく話題になるH5N1の鳥インフルエンザから突然変異が起こり、新型インフルエンザに相当するウイルスが出現するのではと心配されていますが、今後どのような性質のものが出現するかは予想できません。 鳥インフルエンザは肺炎を引き起こすので、死亡率が高いのは確かです。一方で、鼻腔や喉などの上気道には感染しないため、咳やくしゃみで広がりにくく、伝染力は強くありません。また、現時点では、呼吸器だけではなく鳥のように消化器から感染するウイルスが出現するという最悪の可能性は低いとされています。

免疫を持っていないという点からは、「再興インフルエンザウイルス」にも注意が必要です。1950年代に流行したアジア風邪と呼ばれた型のA型ウイルスはその後流行していません。50代以下の人に対しては、免疫を持っていないウイルスということになります。ヒトに感染する型なので注意は必要です。

A型については、どの型が流行するかの予測はできませんが、インフルエンザが猛威をふるっているときには不用な外出は避けたほうがよいかもしれませんね。

次に、正しいマスクの使い方や予防接種について説明します。

インフルエンザの予防法は2種類

インフルエンザは、感染した人の咳やクシャミに含まれるウイルスを吸い込んで感染する「飛沫感染」でうつります。

ウイルスが体内に入るのを防ぐためには飛沫中のウイルスを吸い込まないようにする工夫が必要です。もう一つは、飛沫が飛んだ場所を手で触って、その手から間接的にウイルスに感染するのを予防することです。マスクの着用と咳エチケットが重要です。

インフルエンザワクチン接種は予防接種とも呼びますが、このワクチンによる免疫ではウイルスを吸い込んだ場合の発症を予防する効果は期待できません。

新型インフルエンザ対策にも不織布マスク

気道から感染するウイルスの場合はマスクが有効です。麻疹ウイルスのように空気感染するウイルスの場合は、高性能のマスクが必要ですが、インフルエンザウイルスはそこまで感染する可能性は高くありません。

飛沫感染するウイルスには使い捨ての不織布マスクでも、予防効果があります。流行シーズンは外出時や会社内でマスクをするのが効果的です。

新型インフルエンザの場合は、どのような性質かが分からないので、マスクの効果は断言できません。しかし、予想されるのは、インフルエンザと同じ飛沫感染で、気道からうつることが多いと推定されています。まずはマスクで、というのは最も手軽で効果の高い予防法といえます。

インフルエンザワクチンを毎年接種!

ワクチン接種は100%安全とはいえないので現在は同意書をとった上で接種が実施されています。何故毎年受けないといけないのか?という疑問をもたれる人も多いようですが、インフルエンザワクチンは、A型2種類とB型1種類の3種類が入っています。それぞれに突然変異があるために毎年違ったウイルスを使ってワクチンを生産しているからです。

世界保健機構の予想に基づいて流行する時期が異なる北半球と南半球では異なるワクチンが接種されています。ワクチンによる免疫(血中抗体)は上昇に数週間かかります。流行の時期は通常12月から始まるので11月中の接種が推奨されています。ワクチン接種した部位を接種直後に強く揉むとワクチン液が漏れてしまうので強く揉まないようにしましょう。接種したワクチンが有効かどうかの判定はその年の流行が終わらないとできません。

集団感染の予防に咳エチケット

ウイルス保有者の意識も大切です。咳エチケットに含まれますが、鼻をかんだ場合や咳をした時の、ティッシュペーパーの処理と手洗いが重要です。ウイルス保有者か分からない場合も、各自がティッシュペーパーを直接に捨てずに、ビニール袋に包んで捨てるようにしましょう。鼻をかんだ場合や咳をした場合、手にウイルスが付着している可能性が高いです。状況によりますが、あちこち触る前に手洗いして手に付着したウイルスを洗い流して、集団感染を予防するようにしましょう。

インフルエンザの治療薬は予防に使えます。

抗ウイルス剤のタミフルとリレンザは、予防にも使用可能です。タミフルの場合は、一日一錠で予防効果があるとされています。今年になって、タミフルの有効期限が5年から7年に伸びました。国や自治体単位で備蓄に対する追加の財政的な負担が軽くなります。

最後にインフルエンザにかかってしまったときの診断・治療法について。

インフルエンザの迅速診断

発熱して、咳や鼻水などの症状があり、インフルエンザが疑われる場合、病院で迅速キットによる検査が行われます。鼻腔の拭い液、咽頭の拭い液などを採取して、外来で迅速診断キットを使用できます。検査に必要な時間は反応を開始してから早いものでは15分です。A型とB型を区別できるものが使用されています。

インフルエンザの治療薬

迅速検査結果が陽性だとインフルエンザと診断されます。インフルエンザに対して出される主な薬には、抗ウイルス剤の「タミフル」と「リレンザ」があります。タミフルとリレンザは、ウイルスが持つノイラミダーゼという酵素を阻害します。タミフルは飲み薬ですが、小児科領域では問題があるとされて、現在、使えません。

インフルエンザ治療薬・リレンザは吸入薬

リレンザはタミフルとは違って、喘息の発作に使う薬剤のように薬剤を吸い込む吸入式です。小児科領域でも制限がないので使用可能ですが、小さい子供では粉末状の薬剤の吸入が難しいのが実情です。

遅れて診断されたインフルエンザは放置する?

インフルエンザの病期は発熱してから1週間程度です。インフルエンザに罹った場合は職場や学校を1週間は休む事になります。

抗ウイルス剤のタミフルとリレンザは病期を短縮する事が判明していますが、数日程度の短縮です。発熱してから時間が経って熱が下がり始めてからインフルエンザと診断された場合は、病期の短縮があまり大きなメリットになりません。タミフルやリレンザを投与せず、自然に治すことになります。

熱が高いからと解熱剤を飲むのはお薦めしません。解熱剤を飲むことで、病期を長くしてしまうという報告があるからです。大人の例でも小児のように脳症を起こした報告もあります。

発熱により発汗して脱水傾向となるので水分補給はしっかりと取りましょう。しかしアルコールはダメです。飲酒による利尿作用で、結果的に脱水傾向が助長されてしまうのでお薦めしません。入浴については症状が悪化するという明らかな報告はありません。解熱してからならば大きな問題はないでしょう。

鶏卵から作られるインフルエンザワクチン

意外に感じられるかもしれませんが、秋から冬にかけて接種しているワクチンは、鶏卵を使って作られています。

元々インフルエンザウイルスは鳥のウイルスです。これまでに世界的に流行したウイルスは人に対しては毒性が強くて、一方、鳥に対しては毒性が低いという特徴があります。もし、鶏卵にも害を及ぼすウイルスが発生し、このワクチンを作らなければならなくなった場合は大変です。

鶏に対して大流行が起こってしまうので、鶏卵自体の入手が困難になりますし、そもそも鶏卵に対しての毒性を弱めないとウイルスの培養ができなくなってしまうからです。鳥インフルエンザから新型インフルエンザが出現した場合は、弱毒化のために時間がかかる可能性があります。

鶏卵を用いないワクチンの生産が模索されていますが、まだ確立したワクチン生産の方法はできていません。注射ではなくて、点鼻という投与方法も外国では検討されています。いずれにしても、もしも新型インフルエンザが流行した場合、流行の第一波の期間中には、新型インフルエンザワクチンは間に合いません。

新型インフルエンザは多くの人の命にも関わる可能性もある怖い病気なのです。人の移動を制限することによって初期の拡大を予防するという考えも重要です。

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