<IS戦闘員>難民偽装、今夏ギリシャ入国 当局が拘束

<IS戦闘員>難民偽装、今夏ギリシャ入国 当局が拘束

過激派組織「イスラム国」(IS)の戦闘員が今年夏、シリア難民を装ってギリシャに入国し、現地当局に拘束されていたことが21日、分かった。欧州の治安当局者が毎日新聞に明らかにした。IS戦闘員による偽装難民の初の摘発例とみられる。パリ同時多発テロの実行犯も同様の手口で10月にギリシャ入りしていたが、ISはそれ以前から戦闘員の欧州潜入を図っていた実態が浮かび上がった。

 ギリシャで身柄を拘束されたのは、西アジア方面出身のIS戦闘員。トルコからのシリア難民の波に紛れてギリシャへ密航した。現地で「シリア人」として難民申請した際に、当局側のIS戦闘員に関するブラックリストの顔写真などが、この戦闘員の情報と一致したという。

 パリの同時テロでは、競技場で自爆した3人のうちの1人が10月3日、シリア難民としてギリシャで滞在申請し、欧州へ向かっていたことが判明している。申請時に使われた旅券は、戦死したシリア軍兵士のものだった。ISが兵士の旅券を奪い、偽造したとみられる。

 さらに仏検察は20日、自爆犯の別の1人も同時期にギリシャで滞在申請していたことを明らかにした。

 今夏以降、内戦下のシリアからトルコ、ギリシャなどを経て欧州を目指す難民が急増。欧州の玄関口に当たるギリシャでは、中東やアフガニスタンなどから殺到する人々の身元確認を適正に行えない状態が続いている。

 治安当局者によると、ISはこうした混乱に乗じて戦闘員を欧州へ送り込もうと計画した。戦闘員には難民の波に紛れて陸路で移動するよう指示。潜伏先では過激なモスク(イスラム礼拝所)に出入りしたり、ひげをたくわえたり、一目でイスラム教徒と分かるような服装をしたりしないように指示しているという。

 当局者は、ISの戦闘員がシリアから他国へ移動する傾向は今年に入ってから強まったとみる。昨年9月からの米軍などのシリア空爆で本拠地での活動範囲が狭まったためと分析。ロシアが今年9月にシリア空爆に踏み切ったため、こうした傾向に拍車がかかっていると警戒している。

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