<東芝子会社>1600億円損失 原発事業の資産価値下げ

<東芝子会社>1600億円損失 原発事業の資産価値下げ

東芝の子会社である米原子力大手「ウェスチングハウス(WH)」が2012~13年度の2年間で原発事業に関連する資産価値を引き下げる「減損処理」を行い、計13億ドル(約1600億円)の損失を計上していたことが12日、分かった。原発の新規建設事業の低迷が主因だ。不正会計問題で業績不振が鮮明になった東芝グループで、主力の原発ビジネスの先行き不透明感が高まった格好だ。ただ、親会社である東芝の連結決算では減損による損失を計上しておらず、市場から「適正に反映すべきだ」との批判が強まりそうだ。

 WHが行った減損処理は、特定事業の収益力が低下した場合、会計上、その事業に関連する資産の価値を引き下げ、損失を計上するものだ。

 東日本大震災で原発事故が起きた11年3月以降、電力会社などが新規に原発を建設することを控えた。このため、WHは原発の新規受注を得られず、将来の収益見通しを引き下げる必要に迫られ、減損処理で12年度に約9億ドル(約1100億円)、13年度に約4億ドル(約500億円)の損失を計上。両年度ともWHの決算は最終赤字に陥ったが、東芝はWHの決算の詳細を公表していなかった。

 WHは非上場企業のため、東芝が公表していないこと自体は金融商品取引法上、問題にならない。だが、これまで東芝は既存原発の保守点検や核燃料関連の事業が順調などとして、東芝の連結決算でWH関連の資産価値を引き下げる損失処理は「必要ない」と繰り返し強調してきた。WHで約1600億円もの損失を計上しながら、なぜ東芝本体で同様の対応をしないかの説明は十分ではない。

 今後、原発の新規建設で受注を拡大していくめども立っておらず、市場では「原発で巨額の損失計上を迫られる」との観測がくすぶる可能性がある。

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