日本マクドナルド、最終赤字が上場以降最大の292億円に 1~9月連結決算

日本マクドナルド、最終赤字が上場以降最大の292億円に 1~9月連結決算

不振にあえぐ外食チェーンの日本マクドナルドホールディングスとワタミは11日、決算を発表した。使用期限切れの鶏肉や異物混入問題と、「ブラック企業」批判などが業績に直撃し、ともに営業、経常、最終の各損益段階で赤字となる厳しい決算となった。

 日本マクドナルドホールディングスの平成27年1~9月期連結決算は、最終損益が292億円の赤字(前年同期は75億円の赤字)だった。1~9月期の赤字額としては13年の上場以降では最大。同期間の既存店売上高は前年同期比20・2%減。昨年7月の使用期限切れ鶏肉問題と今年1月の異物混入問題の発覚で家族連れを中心に客離れが進んだことが響いた。

 売上高は20・1%減の1375億円。営業損益は207億円の赤字(前年同期は2億円の黒字)、経常損益は223億円の赤字(同5億円の赤字)だった。

 ただ、明るい兆しも見えつつある。1~3月期に32・3%減だった既存店売上高が7~9月期には4・0%減とマイナス幅が縮小した。同日、東京都内で会見した増田雄高・財務本部上席部長は「(環境は)全体的に厳しいが、ビジネスは回復基調にある」と話した。27年12月期の業績予想は、売上高が前期比10.0%減の2000億円、最終損益が380億円の赤字(前期は218億円の赤字)に据え置いた。

 一方、ワタミの平成27年9月中間連結決算は、売上高が10・3%減の696億円、最終損益は20億円の赤字。赤字幅は前年同期の41億円から縮小した。期中に不採算店66店を閉鎖するなどコスト改善効果はあったものの、売上高や来客数は伸び悩んだことが響いた。

 28年3月期連結業績見通しは、介護事業の子会社を損保ジャパン日本興亜ホールディングスに210億円で売却した売却益を計上することで最終損益は130億円の黒字(前期は128億円の赤字)へ上方修正した。

 同日、会見した清水邦晃社長は介護事業の売却に触れ、「介護事業は非常に思い入れもあり、(売却は)個人的に非常に残念な結果だが、これからは食中心のビジネスに集中する」と強調した。

 主力の国内外食事業の店舗リストラについて、追加リストラは行わず、訪日外国人客への対応を強化する。また、全体の約3割の店舗で地元で仕入れた食材を使用する地域密着型や専門メニューに特化した新業態店へ転換する方針を明らかにした。

マックが異常に叩かれている、もうひとつの理由

マクドナルドがマスコミから尋常じゃないほどボコボコに叩かれている。

 「メニュー写真と現実の商品があまりに違い過ぎる」などネット上ではかねてよりマクドナルドはバッシングの対象だったが、年末年始くらいから、テレビや新聞までが「相次ぐ異物混入を説明しろ」なんて調子で参戦してきたのである。

 そう聞くと、「そりゃポテトから人間の歯とかありえないもん」「SNSの普及によって、異物混入で泣き寝入りしていた消費者の声がマスコミに届くようになったからだ」なんてことをおっしゃる方がいるが、ここまで派手にバッシングされているのは、「異物混入」のせいだけではない。

 ペヤングの時もこのコラムで述べたが、外食産業や食を扱う企業では異物混入は一定の割合で発生する。だからそんなもんでいちいちワーワー騒ぐなとか言いたいのではなく、それが現実なのだ。

 むろん、それはマクドナルドにもあてはまる。SNSが普及する以前から「マックのハンバーガーに虫が入ってました」なんてタレコミは珍しくない。といっても、しょうもないクレームや悪ふざけも多いので、集団食中毒などよほど深刻な健康被害でもでないかぎりスルーするネタなのだ。

 例えば、15年前、オレンジジュースを飲んだ女性が異物で喉を切って出血した。今報じられているゴキブリやらコオロギやらも問題ではあるが、混入物でケガという意味では、企業の責任がより厳しく追及されるケースだ。

 折しも雪印乳業の食中毒事件などがあった時期で、マスコミはなにかとつけては「食の安全」を訴えていた。当然、猛バッシングでしょと思うかもしれないが、多くの人の記憶に残っていないことからも分かるようにそんなことはなかった。いくつかのマスコミが紙面の隅っこにベタ記事扱いで報じたくらいで、マクドナルド側が異物が混入するわけがないと責任逃れをしても、目くじらをたてるような者はいなかった。

「マック=健康に悪い」という万国共通のイメージをどうにか払拭するために透明性をアピールしようと、消費者の疑問にバンバン答えますという主旨で製法や成分などを積極的に公開したのだが、それがかえって逆効果になってしまったのである。

 例えば、マックフライポテト。これまで「何カ月放置をしても腐らない」などとまことしやかに囁(ささや)かれていたこのポテトは「17の成分」からできているらしい。

 さすがに切ったジャガイモを揚げただけではないことは薄々勘づいていたが、改めて「酸性ピロリン酸ナトリウム」(色の保持)、「クエン酸」(保存料)、「ポリジメチルシロキサン」(消泡剤)などの化合物を羅列されても、「いやあ、これで安心して食べれますよ」となるわけもなく、かえってエグい印象を与えてしまったのだ。

 日本マクドナルドの創業者である藤田田氏は「ダイヤモンドに限らず、怪しげなものは売れる」という名言を残した。人というのは、どうしても怪しげな光を放つものに惹きつけられるのでそれをビジネスに活用せよという意味のようだ。

 確かに、マクドナルドもかつてはそんな光を放っていた。白塗りピエロのキャラクター、ドナルドをつかった「マックは子どもの味方」というあざといイメージ戦略、何が入っているの分からないハンバーガーなどかなり怪しげではあったが、それはそれで強烈なインパクトがあった。

だが、今は違う。米国の市民団体から「子どもを不健康な食品に誘導した」とバッシングされたことでドナルドPRを自粛し、日本でもCMから消えた。さらにマックの商品はどれも体に良く安全だと猛アピール、ついにはまったく客層の異なるスタバのように、全店禁煙を宣言してしまうのだ。

 その一方で「¥100マック」やら「妖怪ウォッチ」とさまざまな施策をうっているが、誰がターゲットかまったく見えてこない。ファミリー層は安かろう悪かろうに不安を感じ、カフェとして利用していた個人客も居心地の悪さにそっぽを向き始めている。つまり、消費者は「マクドナルド」そのものが信じられなくなってきているのだ。

 創業者の言葉に従えば、怪しげなものは売れるが、「怪しいもの」は売れない。

 日本マクドナルドは自分たちの存在意義から考え直すべき時期にきているのかもしれない。

🍎たったひとつの真実見抜く、見た目は大人、頭脳は子供、その名は名馬鹿ヒカル!🍏