排ガス不正「3リットルエンジンでも」 米当局発表、VWは否定

排ガス不正「3リットルエンジンでも」 米当局発表、VWは否定

ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が排ガス規制を不正に逃れるための装置をディーゼル車に搭載していた問題で、米環境保護局(EPA)は2日、先に不正が判明したエンジンよりも大きな排気量3リットルのエンジンにも同じ装置が搭載されていたと発表した。一方、VW側はこれを否定している。

 VWは既に、排気量2リットルのディーゼルエンジンを搭載した2009~15年モデル、約1100万台に不正ソフトを搭載していたことを認めている。

 だがEPAは、調査の結果、2014~16年型モデルのうち、3リットルディーゼルエンジンを搭載しているVWの「トゥアレグ(Touareg)」、ポルシェ(Porsche)の「カイエン(Cayenne)」、アウディ(Audi)車を含むさまざまなモデルにも不正ソフトが搭載されていたことが判明したとしている。これには、米国で昨年以降に販売された高級車を主とする約1万台が含まれる。

 EPA法執行順守監督局(OECA)のシンシア・ジャイルズ(Cynthia Giles)氏によると、3リットルエンジンでの不正は、EPAとカリフォルニア州大気資源局(California Air Resources Board)、カナダ環境省による調査の過程で判明した。

 一方のVWは声明で、今回のEPAの発表を否定。「排ガス特性に違法な形で修正を加えるプログラムは、3リットルのV6ディーゼルエンジンには搭載されていない」と発表した。

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VWウィンターコルン前CEOを起訴、米当局 排ガス不正問題

米当局は3日、排ガス不正問題、いわゆる「ディーゼルゲート」に関わったとして、ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)のマルティン・ウィンターコルン(Martin Winterkorn)前最高経営責任者(CEO)を起訴した。裁判所文書で同日、明らかになった。

 VWは昨年、排出ガス不正に関し米環境当局に虚偽の説明をしたとして有罪を認めているが、ウィンターコルン氏の起訴によって、この問題での訴訟が同社最高位にまで及ぶことになった。

 ウィンターコルン氏の起訴についてジェフ・セッションズ(Jeff Sessions)司法長官は、フォルクスワーゲンの規制逃れの手法に会社トップが関わっていたと考えられると述べた。

 また、司法省は声明で、ウィンターコルン氏が2014年5月にも排ガス規制逃れを認識していたが、不正行為を続けることを決めたとする検察当局の指摘について触れている。

 ウィンターコルン氏は不正の発覚を受けて15年9月に辞任した。VWは世界約1100万台の自動車で、許容値の最大40倍となる有害な窒素酸化物が排ガス検査で検出されないよう不正を行っていた。

サル排ガス実験の「壊滅的」な結果、VWが隠蔽か

フォルクスワーゲン(VW)などドイツ自動車大手3社がディーゼル車の排ガスを人やサルに吸わせる実験に出資していた問題で、独大衆紙ビルト(Bild)は31日、サルへの健康被害が予想より大きかったことから、VWが実験結果の隠蔽(いんぺい)を試みていたと報じた。

 問題の実験は、VWのディーゼル車「ビートル(Beetle)」の排ガスが米フォード・モーター(Ford Motor)のピックアップトラック旧モデルよりも健康への害が低いこと示す目的で、サル10匹を対象に行われた。だが同紙によると、その結果が「あまりにも壊滅的」だったために「公表しないもの」とされた。

 人やサルを対象とした排ガス吸引実験は、VW、ダイムラー(Daimler)、BMWの3社が出資していた研究団体「運輸部門における環境と健康に関する欧州研究グループ(EUGT)」(現在は解散)の委託で行われていたもので、その存在が明らかになると非難の嵐が巻き起こった。

 VWは30日、同社のトーマス・シュテグ(Thomas Steg)チーフロビイストを停職処分とし、問題の実験は「非倫理的で不快」であると表明。ダイムラーは31日の声明で、EUGTの理事を務めていた職員に停職処分を科したと発表した。

ディーゼル車の二酸化窒素で6000人死亡、ドイツ政府報告書

主にディーゼル車から排出される二酸化窒素(NO2)が、2014年にドイツで6000人の早期死亡につながったとする報告書を8日、独環境省が発表した。排ガス規制をめぐる不正に揺れる自動車業界にとっては新たな痛手となる報告だ。

「大気中の有害な二酸化窒素の大きな排出源がディーゼル車なのは明らかだ」と、調査を主導したマリア・クラウツベルガー(Maria Krautzberger)氏は指摘。「きれいな大気と私たちの健康を維持するため、手を尽くさなければならない」と述べ、国内各市が独自に市内の特定区域でのディーゼル車の走行を禁止できるとした裁判所の判断に言及した。

 調査によると、心疾患で死亡した約6000人について、元をたどれば大気中に排出されたNO2が原因だった可能性がある。また、NO2は糖尿病、高血圧、ぜんそくなど、さまざまな疾患の患者が増加している要因ともなっており、糖尿病では約43万7000人、ぜんそくで約43万9000人が影響を受けているという。

 自動車産業が輸出の大黒柱となっているドイツでは、ディーゼル車の未来をめぐる世論は割れている。行政訴訟における最高裁に相当する独連邦行政裁判所が2月、大気汚染対策として各都市が独自にディーゼル車の走行を禁止できると判断したことで、車を所有する国民の間には不安が広がっている。

 ディーゼル車の有害性への懸念は、自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が排ガス検査に合格するため違法ソフトウエアを利用していた不正問題が2015年に発覚したことで一気に高まった。疑惑の目はすぐさま他の自動車メーカーにも向けられた。

 公式データによるとドイツでは昨年、ミュンヘン(Munich)やシュツットガルト(Stuttgart)、ケルン(Cologne)などを含む約70自治体で欧州連合(EU)の基準を上回るNO2濃度が測定された。

フォルクスワーゲン元幹部に禁錮7年 排ガス不正で 米

米ミシガン州デトロイトの連邦裁判所は6日、排ガス不正スキャンダル「ディーゼルゲート」に関わったとして起訴されていたドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(Volkswagen)の元幹部、オリバー・シュミット(Oliver Schmidt)被告(48)に禁錮7年の有罪判決を言い渡した。

 2012年から2015年3月までVWの米国での規制順守部門の責任者だったシュミット被告は、40万ドル(約4500万円)の罰金の支払いも命じられた。

 シュミット被告は8月に不正への関与と大気浄化法(Clean Air Act)違反の罪を認めていた。「ディーゼルゲート」スキャンダルをめぐっては、合わせて8人の現役幹部と元幹部が訴追されているが、同被告は罪を認めた2人目の幹部で、最も高い職位となる。

 VWは排ガス検査に不正合格するためのソフトウエアを、約1100万台のディーゼル車に搭載していたことを2015年に認めた。有害な窒素酸化物の排出量は許容値の最大40倍に上っていた。

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