世界で1100万台規模か、VW、排気ガス規制偽装問題は前代未聞のリコール対応で

VW問題のさなか汚染規制強化急ぐ、欧州議会が法案可決

フォルクスワーゲン(VW)(VOWG_p.DE)の米排ガス規制逃れ問題の波紋が広がる中、欧州議会環境委員会は23日、自動車の汚染規制強化を急ぐ修正法案を可決した。

手続きを加速化して議論も公開、2017年までに実環境の走行排出試験を導入する必要があるとした。

正式の条文について、欧州議会、加盟各国、欧州委員会の代表が直ちに協議を始める必要性でも一致した。

欧州連合(EU)は、試験時と路上走行時でエネルギー使用、排出状況に生じる差を狭めるため、実環境試験導入へ法制化を求めていた。

これまで、法律の履行に関しては非公開の委員会で協議されてきた。一部当局者からは、ドイツが規制内容を弱める働き掛けを主導したとの指摘も出ていた。

VW問題に貴金属市場が動揺、「ディーゼル車離れ」を懸念

独フォルクスワーゲン(VW)(VOWG.DE)の排ガス試験不正問題が、貴金属市場、とりわけプラチナ相場に影を落としている。今回の問題に関係しているディーゼルエンジンは、プラチナの世界需要の約半分を占める。消費者の「ディーゼル車離れ」の懸念が台頭している。

ディーゼル車向けの触媒に利用されるプラチナの価格は22日に3.6%下落。下落率はここ2年余りで最大となった。一方、ガソリン車向けの利用が多いパラジウムは0.6%の下落にとどまった。

懸念されているのは、ディーゼル業界が受ける打撃だけでない。一部アナリストは、VWの不祥事を契機に関連規制が強化され、欧州での長きにわたるディーゼル車人気に幕が下りる可能性もある、と指摘する。

トムソン・ロイターの金属リサーチ・予測チームのGFMSによると、欧州で昨年販売されたディーゼル車は900万台で、全体の約45%を占めた。

GFMSのシニアアナリスト、エリカ・ランネスタッド氏は、規制当局が業界全体に広がる規則違反を公表し、環境への配慮から欧州でガソリン車へのシフトが起これば、プラチナの「状況が変わる」可能性があると指摘した。

ただ、米国市場への影響は限られるとみられている。GFMSによると、米乗用車市場のディーゼル車のシェアは2013年が4.5%、14年は5.6%程度にとどまっている。

VWトップが引責辞任へ 続投方針を一転 「会社の利益のため」

独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が排ガス規制逃れのために一部のディーゼルエンジン車に違法ソフトウエアを搭載した問題で、VWは23日、ウィンターコルン最高経営責任者(CEO)が責任をとり辞任すると発表した。DPA通信などが伝えた。

 同社は同日、これに先だって監査役会の主要メンバーが緊急に集まり、対応を協議していた。ウィンターコルン氏は同日の声明で、「不正行為については知らなかったが、会社の利益のためだ」と辞任を決めたことを明らかにした。

 ウィンターコルン氏は22日、「私をこの先も信頼してほしい」として、真相解明などのために当面続投する考えを示唆していた。

VW会長、辞意表明 排ガス不正問題で引責

ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)のウィンターコルン会長は23日、米国で排ガス規制を不正に逃れていた問題の責任を明確にするため辞意を表明した。問題は世界的な不祥事となっており、経営トップの引責辞任に発展した。25日の監査役会で後任人事を決める見通し。

 欧米メディアは後任に、グループ会社ポルシェのミュラー会長が就くとの見方を報じている。

 ウィンターコルン氏は「ディーゼルエンジンをめぐる不正の責任を取ることにした」との声明を発表した。

世界で1100万台規模か=経営揺るがす事態に―VW排ガス不正

ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は22日、米当局に指摘されたディーゼル車の排ガス不正操作について、同様の問題がある車が世界で1100万台規模に達する可能性があると発表した。
 独メディアは、ウィンターコルン社長が25日に責任を取って辞任すると報じており、問題はVWの経営の根幹を揺るがす事態に発展した。
 VWは「技術的な措置で問題を解決する」と表明、世界的な大規模リコール(回収・無償修理)となりそうだ。今後発生する費用のため、65億ユーロ(8700億円)の引当金を計上する。
 ウィンターコルン社長は22日、「信頼を裏切ったことに、最大限の謝罪をする」と表明した。ただ、自身の進退には言及しなかった。
 VWによると、不正操作の可能性があるのは、「EA189」というディーゼルエンジンを搭載した車種1100万台。これらの車種では、エンジン管理用ソフトウエアの制御により、当局などの検査時に、実際の走行時よりも排ガス中の環境汚染物質が大幅に抑えられるようになっている。
 ディーゼル車は日本では普及が遅れており、対象は欧州などが多くなるとみられる。
 米当局は先に、不正操作による排ガス規制逃れを指摘し、約48万台のリコールを命令。米メディアなどによると、VWに科される制裁金は最大180億ドル(約2兆1000億円)に上る可能性がある。
 今回の引当金は、VWの2014年の純利益の6割に相当する。事態によっては対策費がさらに膨らむ恐れもある。VWは15年の業績予想を見直すとしており、経営への大打撃は避けられない情勢だ。

VW、排気ガス規制偽装問題は前代未聞のリコール対応で信頼回復を図る

VWのディーゼル排気ガス偽装問題、今後どうなっていくだろうか?

最大の課題となるのが50万台と言われている現在アメリカ国内を走っている対象車の対応である。

VWのディーゼルエンジン

一般的なリコールなら、対策済みの制御ソフトへのアップグレードや部品交換などで終了するけれど、今回は難しいと思う。排気ガス規制対応の制御内容にした場合、「出力」か「燃費」か「耐久性」が犠牲になると考えられるからだ。

三つともユーザーからすれば受け入れられる問題ではない。

一方、2兆1千億円と言われているアメリカ政府への罰金を支払えば、VWは現在走っている対象車をそのまま走らせることが可能。ちなみに2兆1千億円の根拠は、排気ガス規制未対応車に対する罰金が1台あたり450万円。それの48万台分という計算である。

ただVWは2兆1千億円の罰金を支払ってオシマイという解決手段は取らないと考える。そんなことをしたらイメージの悪化は避けられないからだ。

かといって48万台の旧世代ディーゼルエンジンの全てを規制対応型の新世代ディーゼルに載せ替えるのも難しいだろう。そもそも物理的に無理だし顧客満足度だって落ちる。

となれば残る手段は二つしかない。48万台全てを買い取るか、新車に交換か、である。二つとも前代未聞のリコール対応です。

最もコスト的に厳しいのは新車への交換だけれど、VWの生産コスト&流通コストは平均で1台あたり200万円程度。48万台全てを新車交換したって9600億円で済む。

このくらいの「誠意」を見せれば、ユーザーだって納得するし、政府に支払う罰金の大幅減額が可能。例えばGMはキーシリンダーの欠陥(走行中にキーがオフになりエンジン停止する)を隠蔽した上、少なからぬ死者も出したのに司法取引で罰金1000億円で済んだ。

VWの罰金もキチンと対応すればその程度になるだろう。何より死者が出ていないため、巨額の裁判になりにくい。「新車交換はVWユーザーからすれば納得出来る対応だと思うけど行きすぎ」という意見が出てくるかもしれない。

その場合、現時点での査定額+お詫びとして5000~1万ドルのキャッシュバックを行うという手もある。それなら未対策車はアメリカから無くなるし、ユーザーだって納得出来ることだろう。

とはいえVWが失った「信頼」はプライスレスだ。しばらくVWバッシングが続くに違いない。

VWの排ガステスト不正問題、全世界に拡大…1100万台の可能性も

欧州の自動車最大手、フォルクスワーゲングループが、米国の排出ガステストをクリアする目的で、違法なソフトウェアを使用していた問題。この問題が米国だけにとどまらず、全世界に拡大した。

これは9月22日、フォルクスワーゲングループが明らかしたもの。同社は、違法なソフトウェア装着車について、「全世界のおよそ1100万台が含まれる可能性がある」と公表している。

この問題は9月18日、米国EPA(環境保護庁)が発表。フォルクスワーゲングループが、米国の排出ガステストの際、違法なソフトウェアを使用。このソフトウェアはテスト時に、排出ガス浄化機能をフル稼働できる。しかし、このソフトウェアを用いると、通常の走行時の排出ガス浄化機能は、大幅に低下。排出ガス中の有害物質のひとつ、NOx(窒素酸化物)は、米国の排出ガス基準の10-40倍にも達するという。

今回のフォルクスワーゲングループの発表によると、違法なソフトウェアが装着されていたのは、「EA189」型と呼ばれる直列4気筒ターボディーゼル「TDI」エンジン。フォルクスワーゲン車をはじめ、アウディ車など、グループ各車に広く搭載されている主力エンジンのひとつ。

米国では2009-2015年モデル、およそ48万2000台が該当。今回、フォルクスワーゲングループが発表した約1100万台という数字は、この問題が全世界に広がる大規模なものになることを示している。

ドイツにも痛手!?VWが潰れる?排ガス規制偽装

「ごきげん!ワーゲン」のCMでお馴染みのフォルクスワーゲン(Volkswagen)が、米Environmental Protection Agency(EPA)が行っている排ガス規制検査で不正を行いNOx(窒素酸化物)の濃度を、少なくするソフトウェアを利用して通過していたというニュースが世界を駆け抜けたのは、2日前だ。対象のエンジン型番はEA189(排気量1.6L~2.0Lの直列4気筒ディーゼルエンジン)である。技術的には、既に後継EA28xが存在するが、これはこれから普及するものであったため、EA189は今でも主流として多くの車種に使われている。そして、残念なことに、今はEA189がEA28x系に置き換わり始める改変期である。即ち、多量の街頭エンジンが市場に溢れているのだ。だから、VWの屋台骨を揺るがすとまで言われるほど、問題が大きくなった。

尚、日本の車市場はガソリン車中心であるためディーゼルの1.6L~2.0Lクラスは、よほど個人で輸入をして車両検査をしていなければ、国内での販売はされていないはずだ。

<何を偽装したのか?>

現在の車両には、Engine Control Unit(エンジンコントロール装置/ECU)と呼ばれるSoCが使われている。たぶんここのパラメーターを審査時だけ通すために変更したのだろう。

電子制御燃料噴射装置(Electric Fuel injection system)による空気混合の効率制御を行う機能などもECUなどから伝達されるプログラム制御である。これらは、各種センサー(運転時の操作状況)の情報とエンジンの状態を元に、走行を如何に安全に快適に行うかを制御しているが、一部はプログラミングによって調整が可能な設定となっている。(そうしなければ、最近の燃費基準達成は難しい)

そこに走行状況に合わせた制御パラメーターとして登録することで、燃料の燃焼効率と運転性能を変更することが可能になる。(もしここに問題があれば、特定の条件でエンジンが動かなくなったりすることもある。この場合はリコール対象になる。)このECUの一部パラメーターまたは全体のパラメーター制御を、規制に基づく設定に変更し試験を通過させ、その後ソフトウェアを元の排ガス規制を満たさないものに置き換えて販売したと思われる。

何故そのような真似をしたのかは不明だが、予想されるのは燃料消費の面で何らかの問題があったと思われる。今の時代ならそれ以外に、そこまでする理由はない。要は、規制基準に適合させるとエンジンの制御をよほど絞るか、高めるかしないとNOx濃度を下げられなかったと思われる。NOx濃度は、不完全燃焼が多いと増えるため、それを防ぐには排気口(マフラー)から出てくる前にフィルターで煤塵除去をするか、エンジン側での空気との混合率を高め、燃焼効率を高める必要があるのだから・・・。考えられるのは、他社が進める燃費の向上に対して、VWの走行燃費が規制基準を満たすと、弱かったか、弱くなると思った可能性が高いだろう。

<ドイツにとっては、経済を揺るがしかねない問題>

フォルクスワーゲンと言えば、2014年は世界第2位の販売台数を誇る自動車メーカーであり、トヨタ自動車を今年にも追い抜くのではないかと言われていた自動車会社である。2014年の年間売上げ高は、2020億ユーロ(当時の対円レートで約27兆円強)で127億ユーロ(当時のレートで約1兆7000億円弱)の営業利益を上げている。(2014年度の決算は以下ロイターの記事より算出)

http://jp.reuters.com/article/2015/02/27/idJPL4N0W154A20150227

そして、この企業はドイツ企業では2014年版において唯一フォーチュン誌のグローバル500でトップ10入りしている企業である。日本で唯一10以内に入るトヨタ自動車(9位)を抜いて8位である。即ち、裾野が広い自動車会社のドイツトップ企業が起こした不正は、ドイツ経済にとっても悪夢でしかないと言える。これに、欧州は難民問題もあり、公共投資のコストが増加している上に、中国経済の問題での下振れ圧力がある中では、最悪と言えよう。これは、世界経済にとっても場合によっては痛手となりかねない。

<VWが潰れる!?というのは?本当か?嘘か?>

米国当局が規模によって最大で2兆1000億円の制裁金という話も出ているが、これはあくまで最大であり、これから算定されるはずだ。記事は基本的に読んで貰うためにセンセーショナルに書くのが仕事だから、最終判断はもっと増える可能性も、減る可能性もある。

事業規模から考えると、2兆円でも、これだけで短期的に潰れる可能性はまだ低い。もちろん、東芝のように売上げ偽装までしていれば、市場信頼が下がるため、資金も集められなくなりかねないが・・・米当局だけの制裁でみれば、エアバックのタカタのようなノラリクラリとした態度をしなければ、今後制裁金は変化するだろうし、潰れるまでは行かないだろう。

後は、ドイツ本国やEU域内及びその他諸外国での環境基準の偽装があるかどうかだろう。あれば、VWも事業や資産の大規模な売却によって資金の調達を余儀なくされるだろうが、潰れるほど弱いメーカーではない。(売上げが大きいということは、売ることが可能な優良資産も多いと言うこと)

そのため、すぐに経営破綻するような企業ではない。ただ、信用が傷ついたのは間違いなく、これまでの勢いで拡大するのは難しい上に、経営の見直し、場合によっては規模の縮小を余儀なくされる恐れもある。問題は、次のエンジンE28x系も偽装していたら・・・そのときは、今以上に市場評価を落とす可能性があり少なくとも、中長期の見通しに影響を与えるだろう。要は、次があるから制裁金を払って、真摯に対応してしまえば、一時的に評価は下がるが結果的に短期で回復する可能性もあるのだ。

もちろん、世界経済が成長しているという前提が必要だが・・・。

<この偽装を受けてEPAは他社も対象に調査する方針>

VWだけで終われば、VWの問題だがもし、これが他の自動車メーカーでも日常的に行われていたならば、自動車業界全体の信用を揺るがす大問題になるだろう。EPAはこの問題をVWに限らず他社も含めてさらに深く調査するようだ。VWだけの問題で終われば良いが、他に広がれば、自動車業界の大規模な再編劇に発展するかもしれない。要は、VWが発端なだけで、もしかすると人事ではない話かもしれない。EPAが他も上げてくるか・・・それも注目すべき点だ。

<一番怖いのは不祥事を発端に事業を切り売りするほど極端に資金が流出すること>

事業を売却するような状況になる可能性は、既にある。まあ、エンジン技術などキーパーツを売ることはないだろうが、もしあったと仮定して、それをもし新興企業が買えば、彼らは安さとブランドと環境技術を手に入れるだろう。これが起きれば恐ろしいことになる。

勢力図が不祥事で変化し、事業の一部が売られるのは、成長している国に同様の事業で伸びている会社があれば、魅力的に映る。そこが買収すれば、SANYOの家電事業をAQUAとしてブランド展開したHaierアジアのようにある程度の地位を確立する可能性もある。

そういう点では、VWの今後は日本の自動車会社にとっても再編が起きるか、それともVWが短期で問題を解消し、痛手は少なく終わるかは重要な関心事になるだろう。

まあ、少なくとも潰れるかもしれないというのは今の段階で読み取る話ではない。これからの対応を数ヶ月見てその先どうなっていくかぐらいを考えるなら別だが、これはあくまで偽装が見つかったに過ぎず、それに対する対応が迅速なら短期的な問題に留まるだろう。

むしろ、そんな風に一般が思い市場がそれを感じれば、今のマネーゲーム中心の投資家市場では、真実になるまでは行かなくとも、資本力が短期的に極端に低下し、日本企業にとっては結果的に不都合な状況になることもあるのだ。

ちなみに、株価が連続で下がるからといって、会社が潰れるというわけではない。公開市場で調達しなくとも、このクラスの企業なら、他(取引先金融機関)からの調達はできるだろう。大事なのは問題を早期に解決することであり、これからそれが問われるのである。

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罰金2兆円超、ブランド価値も失墜…VWが支払う高い代償

米環境保護局(EPA)は18日、独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が排ガス規制逃れのために一部ディーゼルエンジン車に違法ソフトウエアを搭載していたと告発した。EPAはVWが意図的に規制当局を欺こうとしていたとみており、2兆円以上の罰金を科される可能性も。VWの最高経営責任者(CEO)、マルティン・ウィンターコルン氏(68)は経営責任を問われて辞任に追い込まれた。今回のEPAの告発は米国の非営利団体(NPO)がVWの環境性能の高さを証明しようとして始めた調査がきっかけだ。売り物にしてきた「クリーン」なブランドイメージを裏切ったVWは高い代償を支払う形になりそうだ。

 ■罰金だけで2兆円以上か

 「違法ソフトを使って排ガス規制を逃れることは不法行為であり、人々の健康に脅威をもたらす」。EPAは18日に発表した声明で、VWの行為は大気浄化法違反の疑いがあると告発した。

 EPAによると、VWグループは2008年以降に米国内で販売したディーゼルエンジンの乗用車約48万台に違法ソフトを搭載。研究施設での試験中には排ガス浄化機能をフル稼働させ、実際の走行時には浄化機能を大幅に低下させることができるという。米メディアは「浄化機能を低下させれば燃費が向上する」として、購入者に燃費の良さを実感してもらう狙いがあった可能性を指摘している。

 EPAはVWに対して最大180億ドル(約2兆1600億円)の罰金を科すとみられている。またVWは違法ソフトが搭載された車は1100万台に上るとしており、リコール(回収・無償修理)が命じられれば対応費用がかさむ恐れが大きい。米国ではVW車の所有者を代表して損害賠償などを求める集団訴訟も起こされている。

 ■経営陣に刑事責任も

 こうした事態を受けて、ウィンターコルン氏は23日、「責任を受け入れる」として辞任の意向を表明した。ウィンターコルン氏自身は違法ソフトの存在を知らなかったと釈明しているが、米ニューヨーク州やドイツの司法当局がVWへの刑事捜査を始めることを表明。米司法省も同様の調査に着手したと報じられており、VW経営陣の責任は今後も厳しく追及されることになりそうだ。

 EPAによる告発のきっかけとなったのは、自動車などの環境性能の向上を目的とした米国のNPO「国際クリーン交通委員会(ICCT)」が米ウェストバージニア大学に依頼して、13年に行った独自の環境性能調査だ。

 米通信社ブルームバーグによると、このICCTは米国の排ガス規制が欧州よりも厳しいことに着目。米国で販売されている欧州車は欧州で販売されている欧州車よりも環境性能が高いことを証明して、欧州でも厳しい排ガス規制を導入すべきだと主張するつもりだった。

 しかし実際の調査結果ではVWの乗用車「ジェッタ」と「パサート」では基準を上回る大気汚染物質を検出。同時に調査されたBMWの「X5」は基準をクリアしており、VWの不正行為の疑いが濃厚になった。ロイター通信によると、VWは当初、走行時の浄化機能の低下の原因は「技術的な問題」にあるなどと釈明していたが、EPAが16年型製品の承認を出さないことを示唆したために不正行為を認めたという。

 ■頼みのディーゼルで汚点

 VWは燃費の良さや力強い走りが特長のディーゼルエンジンの環境性能を高めた「クリーンディーゼル」の開発、販売を推進。販売台数が減少してきた米国でも巨額の広告費を投じてアピールし、米国の販売台数の2割以上がディーゼル車が占める。それだけに今回、ディーゼル車で問題が起きたことはVWにとっては大きなイメージダウンといえる。

 VWの14年の世界販売台数は1021万台で、この10年間で2倍近くに増えた。15年上半期の実績ではトヨタ自動車を抜いて首位に立ち、通年での首位も視野に入っている。しかし顧客の信頼を意図的に裏切るかたちでブランド価値を失墜させたことで、一気に先行きは見通せなくなった。巨額の賠償金負担が研究開発の遅れにつながる恐れもあり、VWの長期的な世界戦略に影響が及ぶ可能性もある。

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