労基法「成立絶望」…安保の陰で重要法案遅れる
大幅延長している今国会は、最大の焦点の安全保障関連法案が16日に衆院を通過し、参院審議の行方が注目される。
一方、安倍内閣が労働改革の柱に掲げる労働基準法改正案や、制定以来初めて債権関係規定を抜本的に見直す民法改正案などの重要法案は審議入りのめども立っていない状況だ。
◆きっかけは?
安保関連法案の衆院通過を受け、野党は17日の国会審議を拒否した。ただ、野党にも「国会審議を通し反対に対する理解が広まる」(民主党幹部)との声もあり、週明けには、正常化に向け動き出しそうだ。
きっかけの一つは、参院選挙制度改革のための公職選挙法改正案だ。与野党ともに、来年改選の参院議員の任期満了1年前の25日までに、改革案を参院で可決させる方向では一致している。自民党などが近く改正案を提出することで、審議が始まるとみられている。
また、民主党の枝野幹事長は18日、さいたま市内で記者団に、新国立競技場建設計画の白紙撤回に関し、「検討経緯を具体的に示すべきだ」と語り、衆参両院の予算委員会の必要性に言及した。予算委で国会が動き出すと見る向きもある。
与党は参院で安保関連法案を扱う特別委員会を設け、7月中の審議入りを目指す。会期末の9月27日より前の14日以降は、参院で採決されなくても衆院で再可決できる「60日ルール」を使えるようになるが、与党は、100時間程度の審議を経て、9月上旬には参院で採決し、成立を図る考えだ。
◆滞る審議
「安保国会」の陰で、他の重要法案は遅れ気味だ。
派遣労働者に柔軟な働き方を認める労働者派遣法改正案は、日本年金機構の個人情報流出問題の影響などで参院での審議が遅れており、成立は8月中旬以降となる見通しだ。一方、労働基準法改正案は審議入りのめども立っていない。自民党関係者は「今国会での成立は絶望的」と悲観的だ。
法務省関係の政府提出法案では、取り調べの可視化や「司法取引」の導入などを柱とした刑事司法改革関連法案は60時間近く審議しており、衆院通過は8月以降となる見通しだ。民主、維新両党は司法取引の導入見送りなど与党に修正協議を求めている。
この余波で、衆院法務委員会は他の法案の審議も遅れている。民法改正案は審議入りの時期も見通せず、今国会成立は厳しいとの見方が強まっている。
