<ネパール地震1週間>水も食料も物資も何も来ない
ネパール大地震の発生から2日で1週間を迎える。AP通信によると死者は1日、6260人に上り、周辺国を含めた犠牲者は6300人を超えた。また、中部シンドゥパルチョーク地区で約3000人が行方不明との情報があるほか、欧州連合(EU)の駐ネパール大使は、加盟国の観光客ら約1000人が所在不明だと明らかにした。一方、被災地では多くの人がテント暮らしを強いられ、支援物資も行き届いていない。ネパール政府の対応は後手に回り、物資の配給をはじめあらゆる面で混迷が深まっている。
カトマンズ中心部にある首相公邸。1日、武装警官が目を光らせる監視塔のすぐ脇の空き地に6張りのテントが並んでいた。近所の数十人が集まる自主避難所だ。敷地にたまったゴミが異臭を放ち、ハエがしつこくまとわりついてくる。
「水も食料も物資も、支援は何も来ない。そこに首相が住んでいるのに、なぜなんだ」。2畳ほどのテントに妻や子供ら6人で暮らす観光業のミラン・タマンさん(38)が吐き捨てるように言った。
自宅アパートにひびが入り、料理や食事で家に戻る以外はテントで横になって過ごす。隣のテントで暮らすめいのアイサちゃん(7カ月)は、被災後ずっと下痢が止まらない。「政治家は選挙の時は都合の良いことを言うが、いざとなると何もしてくれないと分かった」。ミランさんが嘆いた。
カトマンズでは普段から停電や断水が頻発し、市民は不便な生活には慣れっこだ。それでも被災者支援の遅れには多くの人が業を煮やす。
「もう7日。私たちの支援物資はどこ?」。各国の支援物資が到着する国内唯一の国際空港「トリブバン空港」でこの日、約40人が模造紙を掲げて抗議していた。雑誌編集者、ソン・シンさん(44)は「世界中から集まった支援物資がここで止まっている」と怒った。
警官が「空港ではなく政府庁舎でやりなさい」と声をかけると、参加者らは口々に「我々は物資の配布を手伝いたいだけだ」「国民は助け合うべきだ」と詰め寄り、騒然となった。
また、カトマンズ最大規模のトゥンディケル避難所では、中国の支援団体が食料の入った袋や清涼飲料水を配り始めたところ、順番待ちの行列に「うちには子供が居る」などと言って割り込む人が続出。複数の物資を取ろうとする人もおり、支援団体のメンバーが注意したものの収拾できず、最後は物資を置き去りにして逃げ出した。その後、物資を巡ってもみ合いが起きた。被災者のストレスは高まっている。
こうした状況は、地方ではなおさらだ。最大規模の被害が出たシンドゥパルチョーク地区では29日、軍のトラックを住民が取り囲み怒声を浴びせる光景が目撃された。必要なテント400張りに対し、配られたのは30張りだったからだ。住民の一人は「各国の支援団体は物資をネパール政府に渡さず、被災者に直接届けてほしい」と訴えた。同じ日、同地区では、道にタイヤを並べて軍のトラックの通行を妨害して抗議の意を示す活動も行われた。
