台湾の違法油問題 市民に商品不買の動き広まる
食品会社の正義(高雄市)が販売する複数の食用油に飼料用油が混入していた問題で、同社を傘下に収める頂新国際グループの商品の不買運動が広まっている。
スーパーでは「味全」など関連企業が販売する牛乳が大量に売れ残った。彰化県の鹿港では、地元の業者が醤油や牛乳などを破棄する抗議運動を実施。ある音楽バンドは12日のコンサートで木魚を打ち鳴らしながら読経し、頂新は台湾から出て行けと呼びかけた。
過去に味全、正義、頂新製油3社の董事長(会長)を兼任した魏応充氏は11日に記者会見を開き、涙ながらに謝罪したが、十数年にわたって商品を購入していたコーヒー店やかき氷店も不買運動の支持を表明するなど、事態の収拾には至っていない。
22の県・市は13日から所属機関や学校などに問題企業の商品の購入を停止するよう通告し、不買運動は全国規模に広がる様相を呈している。また、中国大陸当局も、正義が販売する食用油の輸入を取り止めた。
馬英九総統は12日、行政院(内閣)に対して問題の迅速な解決を指示したことを明らかにした。衛生福利部食品薬物管理署は同日午後、すでに自主回収された違法油は222品目、27万2677キログラムにおよぶと発表。高雄市政府衛生局は各県市で約948トンが返品されたと発表している。