「あっという間に暗闇」無数の噴石、死を覚悟-避難のカメラマン・御嶽山噴火

「あっという間に暗闇」=無数の噴石、死を覚悟-避難のカメラマン・御嶽山噴火

「空から無数の噴石が落ちてきた」。御嶽山の8合目付近で噴煙に巻き込まれ、自力で避難した地元のアマチュアカメラマン青木敬次さん(63)=長野県木曽町福島=は、「粉じんで真っ暗闇になり、息もできなくなった」と恐怖の体験を振り返った。

青木さんは27日朝、紅葉を撮影するため、山頂東側の黒沢口から登山を開始。8合目から9合目の登山道付近で撮影していたところ、「パキパキ」という音とともに、小さな噴石が無数に降ってきた。
 「噴火だ!」。背後にいた登山者が叫んだ。青木さんが急いで山頂方向にカメラを向けると、入道雲のような白い煙がもうもうと上がっていた。夢中でシャッターを切るうちに煙は黒く変わり、「あっという間に粉じんが立ちこめ、辺りは真っ暗闇になった」。ドカンと腹に響く爆発音が、何度も鳴り響いた。
 青木さんは近くにあったハイマツの枝の下に逃げ込んだが、視界は悪くなるばかり。火山灰は見る見るうちに5センチ以上積もり、大きな雷とともに雨が降りだした。「これはやばい」。命の危険を感じ、持っていたタオルで口の周りを覆うと、急いで下山を始めた。

登山道は雨と火山灰が混ざって滑りやすく、青木さんは途中で転倒しながら8合目の山小屋に到着。そばにいた登山者らにも大きなパニックはなく、互いに声を掛け合いながら避難していた。青木さんはその後、山の中腹から木曽町役場が手配したマイクロバスに乗って無事下山した。
 1979年に起きた御嶽山の噴火も麓から目撃したという青木さん。「今回はより間近で見たので、ものすごい迫力だった。ハイマツの下で粉じんに襲われたときは『これで俺も終わりか』と覚悟した」と振り返り、「(噴火が)長引けば観光面でも大打撃だ。早く収まってほしい」と語った。

🍎たったひとつの真実見抜く、見た目は大人、頭脳は子供、その名は名馬鹿ヒカル!🍏