<特殊詐欺>上半期の被害268億円 過去最悪ペース
警察庁は7日、今年上半期(1~6月)の振り込め詐欺など「特殊詐欺」の被害総額が前年同期比26.5%増の268億2950万円に上ったと発表した。年間として過去最悪だった2013年の489億4949万円を上回るペースで、レターパックや宅配便を使って現金をだまし取る「現金送付型」の被害が増えた。
上半期の特殊詐欺の認知件数は同14.4%増の6167件で、1件当たりの被害金額は同10.7%増の472万円。このうち、振り込め詐欺の認知件数と被害総額がそれぞれ同21.8%増の4907件、同48.1%増の160億5294万円と大幅に増えた。
振り込め詐欺の分類の中では、架空の金融商品の勧誘や利用していない有料サイト料金の請求など「架空請求詐欺」と呼ばれる手口が急増。被害総額は68億4369万円と前年同期の3倍近くに上った。
金をだまし取る手段の割合では、金融機関を通じた振り込み(38.8%)や現金手渡し型(37.9%)が前年同期に比べて減った一方、現金送付型(22.1%)は7・2ポイント増。金融機関が窓口などで顧客に注意喚起を繰り返していることが背景にあるとみられ、被害を防止した額は約135億円。また警察官がだまされたふりをして詐欺グループを摘発した人数も54人増えて443人に上った。
現金送付型の内訳をみると、宅配便(625件、55億7456万円)とレターパック(511件、34億171万円)で全体の9割以上を占めた。犯人グループが拠点としている東京から離れた道府県での被害が目立った。架空請求詐欺に引っ掛かり、現金送付型でだまし取られるケースが昨年同期の2.7倍に増えており、警察庁の担当者は「ともに詐欺グループからみると手軽さがある」と指摘する。現金を郵送可能なのは郵便法で現金書留に限られ、宅配便でも約款で禁じられている。
一方、特殊詐欺の摘発人数は前年同期比13.4%増の916人。このうち暴力団組員・準構成員が360人で39.3%を占め、全体に占める割合は前年同期から10.5ポイント増えた。首謀格の摘発事例が少ないため組織性は明らかになっていないが、同庁は暴力団が資金源にしている可能性があるとみている。
