旅客船沈没事故 331人立件・139人逮捕=韓国検察
韓国の大検察庁(最高検)は21日、旅客船セウォル号沈没事故をめぐり全国の地方検察庁で行ってきた捜査の結果を発表した。これまで331人を立件し、139人を逮捕した。
捜査は▼沈没の原因や乗客救助義務違反の責任▼船舶安全管理・監督上の責任▼事故後の救助活動での違法行為▼船舶会社の実質的オーナー一族の不正▼海運業界の構造的な不正――の5分野を中心に行われた。
事故当日の4月16日に捜査本部が設置され、翌日に警察との合同捜査本部を発足させ、本格的な捜査に乗り出した。
捜査の結果、事故に直接的な責任がある船長や船員、船舶会社関係者、オーナー一族、安全監督機関関係者ら121人を立件し、うち63人を逮捕した。船長や船員ら31人、収賄罪などで起訴された海洋港湾庁職員ら8人は裁判を受けている。セウォル号の実質的なオーナー、兪炳彦(ユ・ビョンオン)氏ら4人と側近の9人も起訴された。
検察当局は兪氏一族の財産や兪氏が創設したキリスト教系新興教団の信徒名義になっている財産計1054億ウォン(約104億円)を差し押さえ、事故被害者家族への賠償に充てるため兪氏と船舶会社関係者の財産648億ウォンを仮差し押さえした。
韓国海運組合など関係機関や港湾の許認可、船舶導入などに関連した海運業界の長年の不正を調べ、これまで210人を立件し、76人を逮捕した。
検察当局は逃亡を続けている兪氏の逮捕状を再請求し、21日、裁判所から有効期限6か月の令状を取得した。検察関係者は「一点の疑惑もなく徹底的に捜査する。兪氏の追跡にも総力を挙げ、必ず兪氏を検挙し、隠し財産を没収する」と述べた。
セウォル号事故、139人を逮捕 韓国最高検が発表
韓国最高検は21日、旅客船セウォル号の沈没事故に関連し、これまで船長ら331人を立件し、うち139人を逮捕したと発表した。24日で発生から100日を迎えるのを前に捜査の途中経過を明らかにした。
最高検によると、捜査は、(1)沈没原因と乗客の救助義務違反(2)船の安全管理・監督責任(3)事故後の救助過程での違法行為(4)運航会社や事実上のオーナー一家の問題(5)海運業界の構造的な問題、の5分野を中心に行っている。最高検は、逃走を続けている運航会社の事実上のオーナーの身柄確保に全力を尽くすとともに、捜査も徹底的に行う方針だ。
韓国地裁 沈没旅客船オーナーの令状を再発布
沈没した旅客船セウォル号の運航会社、清海鎮海運の実質的なオーナーとされる兪炳彦(ユ・ビョンオン)容疑者一家の不正と関連し、韓国の仁川地裁は21日、検察が再請求した令状を発布した。有効期限は6か月。
仁川地検は兪容疑者が逃亡したと判断される上、証拠隠滅の恐れがあるとして、5月に有効期間が2か月の拘束令状を発付していた。拘束令状の期限は7月22日だが、検察はいまだ兪容疑者検挙に至っていない。
検察は21日午前に令状を再請求し、6か月の有効期限を求めた。通常、容疑者の身柄を確保できない場合、起訴中止後に逮捕令状を請求するのが一般的だが、兪容疑者を検挙するとの検察首脳部の意向が反映されたとみられる。