キヤノン純正の画像編集ソフトウエアを大幅にバージョンアップ
“Digital Photo Professional 4.0”などの無償提供を開始
キヤノンは、撮影画像の閲覧、編集、現像を行う画像編集のためのソフトウエア“Digital Photo Professional”(以下DPP)と、カメラの設定や画像転送などのリモート撮影のためのソフトウエア“EOS Utility”(以下EU)を大幅にバージョンアップし、それぞれ“DPP 4.0”、“EU 3.0”として2014年6月26日より無償提供を開始します。
おもな特長
“DPP 4.0”は、本格的な写真表現を求めるプロおよびハイアマチュア向けに開発されたRAW※1画像の編集ソフトウエアです。ハイライト/シャドウの調整幅を拡大するなど従来機能の改善に加え、特定色域調整などの新機能を搭載し、基本機能の強化を図るとともに、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を全面的に見直すなど、編集作業における操作性・利便性が大幅に向上しています。大量の画像を高度に編集するフォトグラファーの作業効率向上に寄与することで、レンズ交換式カメラEOSシリーズの基本コンセプトである「快速・快適・高画質」をより高いレベルで実現します。
- ※1JPEGなどに色情報などが補完・補正される前の、撮像素子が感知した色情報の生(RAW)の画像データ。
従来機能の強化に加えて新機能を搭載した“DPP 4.0”
従来機能の強化に加え、8つの特定の色域における色調整や、画像の明暗部のバランスを示すヒストグラムを自動で解析する階調(輝度)調整など、より自由な画像調整を可能にする機能を新たに搭載しています。さらに、1万枚ほどの大量のサムネイル画像でも一度に表示することが可能となり、また、プレビュー画面においてもセレクト比較表示やレーティング機能をつけるなど、画像選択・編集作業を簡易化しています。
“DPP 4.0”との連携強化により作業効率の向上を可能にする“EU 3.0”
“EU”は、USBもしくはWFT※2でカメラとパソコンを繋ぎ、パソコンからカメラの撮影設定や画像転送、リモート撮影の操作を行うソフトウエアです。“DPP 4.0”との連携を強化しており、「セレクト比較表示」機能を活用してより良い画像を選択し、設定を微調整して再撮影するというシームレスなワークフローを実現しています。
- ※2Wireless File Transmitter。無線/有線LANに対応した画像転送システム。別売。
Digital Photo Professional が64bitネイティブ環境に対応し、高速化&高画質化をはじめ、新機能の搭載や従来機能の改善を実現しました。 64bitネイティブ環境だからこそ実現できるDigital Photo Professional 4.0の世界を体感してください。
Digital Photo Professional が64bitネイティブ環境に対応し、高速化&高画質化をはじめ、新機能の搭載や従来機能の改善を実現しました。 64bitネイティブ環境だからこそ実現できるDigital Photo Professional 4.0の世界を体感してください。
対応機種 | EOS-1D X / EOS-1D C / EOS 5D Mark III / EOS 6D | |
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対応OS | Windows 7 / 8 / 8.1 64bit OSのみ対応 | Mac OS X 10.8 / 10.9 |
- ※上記以外の機種をお持ちの方、また上記以外のOSの環境の方は、 引き続きDigital Photo Professional 3.14をご使用ください。
Digital Photo Professional 4.0の主な特長
- 新機能
- ◎ 特定色域の調整機能(8軸色調整)
- ◎ 高輝度側の階調を拡大するための「ハイライト」「シャドウ」スライダー機能の画像調整領域拡大
- ◎ 画像調整後の情報を表示する「調整後の画像情報」を追加
- ◎ 動画再生に対応
- ◎ JPEG画像にも「オートライティングオプティマイザ」の適用
- 機能強化
- ◎ 1つのプレビュー画面でコピースタンプやトリミングなどの調整が可能
- ◎ RAWヒストグラムでホワイトポイント拡張とミッドポイントの任意コントロールを追加
- ◎ 100%表示でのセレクト作業の高速化
- ◎ 1万枚程度の大量サムネイルもストレスなく表示
- ◎ サムネイル切り替えが6種類にアップ
- ◎ ツールバーの機能ボタンカスタマイズが可能
- ◎ コレクションを20個まで登録可能
- ◎ ホワイトバランスの色温度調整機能の改善
- ◎ リモート撮影機能の強化可能
インターフェースと操作性
インターフェースの構造やデザインをゼロから見直したDigital Photo Professional 4.0。従来版に慣れ親しんだユーザーが迷わない操作性を維持しながらも、シームレス化を追求。メイン画面には、よく使う機能を配置し、操作性の向上を実現しました。
メイン画面でのサムネイルの一覧表示を高速化。1万枚程度の大量画像もストレスなく表示できます。さらにRAW画像と同じ色味を実現。この状態からツールパレットの全機能が使用できるリアルタイム編集にも対応。またレシピの保存、画像の変換保存も行えます。
RAWヒストグラムの機能強化
ホワイトポイントとブラックポイントの階調や色の再現領域が大幅に拡大。操作性も向上し、ヒストグラムによる調整がより快適に行えます。またヒストグラム情報を解析して階調(輝度)を、ワンタッチで自動調整するボタンを新設しました。
ハイライト/シャドウスライダーの調整領域拡大
ハイライト/シャドウのアルゴリズムを一新。階調表現の自由度がさらに拡大しました。白飛び気味、黒くつぶれ気味の画像をより精密に調整できます。
撮影後の画像の解像感が向上
現像した画像の解像感が向上したことで、ディテールの再現性がアップ。さらに高感度で撮影した画像の解像感の向上、偽解像の低減を実現しています。
リモート撮影
従来版のリモート撮影は、EOS Utilityで行い、Digital Photo Professionalの編集画面に表示させる方法でした。Digital Photo Professional 4.0では、新バージョンEOS Utility 3.0とシームレスに連携。Digital Photo Professional 4.0上でレリーズ制御やライブビュー画面の起動、カメラ設定画面の起動などが行えるようになりました。
連携を強化。進化したEOS Utility 3.0
カメラの設定や画像転送だけでなく、EOSでリモート撮影を行うソフトウエア。Digital Photo Professional 4.0との連携を強化するため、EOS Utilityも3.0へと進化しました。
- ◎ Digital Photo Professional 4.0に合わせた黒ベースのインターフェース
- ◎ メイン画面の項目に「リモート撮影」を配置
- ◎ ライブビューウィンドウを1画面に統合
- ◎ Digital Photo Professional 4.0の新機能「比較表示機能」との連携でスタジオ撮影でのセレクト操作が快適に
従来版との主な機能比較
Digital Photo Professional 4.0 | Digital Photo Professional 3.14 | |
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特定色域調整(8軸) | 搭載 | なし |
ホワイトポイント拡張 (RAWヒストグラム) |
搭載 | なし |
ミッドポイント調整 (RAWヒストグラム) |
搭載 | なし |
自動 (輝度の自動調整) |
搭載 | なし |
ハイライトスライダー | 11段階(画像調整領域を大幅拡大) | 11段階 |
シャドウスライダー | 11段階(画像調整領域を大幅拡大) | 11段階 |
フィルター | チェックマーク、レーティング、拡張子 | なし |
ソート (サムネイル並び替え) |
11種類 (ファイル名、拡張子、撮影日時、チェックマーク、 レーティング、カメラ機種名、レンズ、ISO感度、 シャッター速度、絞り値、焦点距離) | 5種類 (レーティング、チェックマーク、ファイル名、 撮影日時、RAW優先) |
リモート撮影 | リモート撮影ボタン搭載 | EOS Utilityを使用 |
オートライティングオプティマイザ | RAW/JPEG | RAW |
動画再生 | サムネイルを表示 ※OS設定に従った動画再生アプリを起動 |
不可 |
Digital Photo Professional 4.0注意事項
- Digital Photo Professional 4.0で搭載していない機能。
[ 多重合成機能/HDR/トーンカーブアシスト/ヘルプ] - Digital Photo Professional 1~3のレシピとは互換性がないため4.0では反映されません。
- Digital Photo Professional 4.0と3.14は、一台のPCに同時にインストールできます。
- Windows 7 / 8 / 8.1の32bitOS環境にはインストールできません。
EOS Utility 3.0注意事項事項
- EOS Utility 2.14とEOS Utility 3.0は、一台のPCに同時にインストールできます。
- EOS-1D X、EOS-1D C、EOS 5D Mark III、EOS 6D以外の機種はカメラ接続で、EOS Utility 2.14が起動します。
- EOS Utility 3.0で搭載していない機能。
「フォルダ監視」機能、リモートライブビュー機能と連携したピクチャースタイル編集(EOS-1D C) - EOS Utility 3.0は、Digital Photo Professional 3.14とは連携できません。