パナソニック、プラズマ事業完全撤退 負の遺産決別で積極投資へ転換
パナソニックは31日、プラズマディスプレー事業から完全に撤退した。総事業費4千億円超に上る兵庫県尼崎市の生産工場3棟は、巨額赤字を招いた過剰投資の象徴とされていたが、最も新しい建屋は同日、不動産投資顧問会社、センターポイント・ディベロップメント(東京)に20億円で売却する契約を締結。負の遺産と決別し、今後、平成30年度の連結売上高10兆円の目標に向け利益をもたらす投資に舵を切る。(藤原直樹)
かつて薄型テレビは、大画面はプラズマ、中小型は液晶とのすみ分けができていたが、液晶パネルの技術革新で液晶テレビが大型化し、コスト競争力でプラズマが完敗。パイオニアが20年度、日立製作所が21年度にそれぞれプラズマパネルの生産から撤退した。パナソニックもプラズマテレビの販売不振を受け24年3月に尼崎工場の第1、第3工場でそれぞれ生産を停止。第2工場も25年末で生産を打ち切った。
パナソニックは液晶の大型化が進んでいた19年に尼崎工場の新棟建設に着手したことが裏目と出て、尼崎工場は約4千億円の過剰投資となってテレビ事業は赤字が膨らんだ。26年度までに赤字事業ゼロを目指す津賀一宏社長はプラズマ事業の黒字化は困難と判断。昨年10月にプラズマ事業からの撤退を表明した。
センターポイント社への建屋売却は9月末の予定。流通加工施設に改装後、複数のテナントに貸し出される。残りの2つの建屋もパナソニックは地主の関西電力との間で売却に向け協議している。
パナソニックは3月27日、30年度に連結売上高10兆円を目指す方針を発表。津賀社長は「世界の成長分野に歩調を合わせた投資を進める」と述べ、自動車や住宅など重点分野を中心に投資する姿勢を示した。海外企業の買収も視野に入れ投資規模は30年度までの5年で数兆円規模になる可能性もある。
今後は脱家電を進め、BtoB(企業間取引)にシフトするための投資となるのが特徴で、巨大化した韓国サムスン電子などとの価格競争を避ける。過去の過剰投資を教訓に成長と利益を両立する投資を目指す。
