現2chは「違法な乗っ取り」状態──ひろゆき氏?が新サイト「2ch.sc」開設を予告
掲示板サイト「2ちゃんねる」(2ch)で2月から続く一連の騒動にからみ4月1日、2ch元管理人のひろゆき(西村博之)氏を名乗る文章が「2ch.sc」サイト上に掲載された。2chの権利はひろゆき氏らにあり、現2chはレンタルサーバ会社側が乗っ取ったとして批判。現2chにボランティアなどで協力しているユーザーに対し法的措置をとる可能性も示唆している。新サイト「2ch.sc」は6日ごろのオープンを予告している。
1日付けで、2ちゃんねる(2ch)公式ビューア「p2.2ch.net」と2ちゃんねる検索(現在は2chからの遮断でサービス停止中)を運営する未来検索ブラジルのサイトに、p2を「2ch.sc」に対応させることが決まった、という告知が掲載された。同社とひろゆき氏は関係が深い。
「昨今の2ちゃんねるの現状に関して。」で始まる2ch.scの文章によると、2chサーバとドメインは「ゼロ」(札幌市)のレンタルサーバを月額2万ドルで借りて運営されてきた。ゼロが提携するN.T.Technologyの経営が不振だとして、サーバ代に上乗せし、昨年から総額52万ドルを同社に送金したという。サーバ代自体は年間24万ドルの契約のため、「レンタルサーバ代の送金額が不足していたという事実は全くありません」という。
2chに異変が起きたのは2月19日。「2chサーバーを確保しました」という特殊スレがN.T.Technologyのジム・ワトキンス(Jim)氏の名前で立った。2ch.scの説明によると、「サーバのログインアカウントを変更して、2ch運営スタッフがサーバに入れないようにし、ドメインの登録名義を変更して、2chを乗っ取るという行為に出ました」のだという。その上で2日後の21日、サーバ代とは関係なく5万ドルを送るよう要求された、としている。
2ch.scは「2ちゃんねるの諸権利は、西村博之ないしパケットモンスター社に帰属するものであり、株式会社ゼロ及び、NTテクノロジー社に権利を譲渡したことはありません。よって、彼らはサービスとドメインの違法な乗っ取りをしているというのが、現状の2ちゃんねるです」と主張する。
現2ch運営は「正当な権利者ではなく、サービスを乗っ取った不法行為者」のため、「2ちゃんねるに関して、なんらかの方針を主張したとしても、なんの効力も発揮しません」という。「彼らが正当な所有者であると主張する可能性はありますが、西村博之ないしパケットモンスター社からの権利移転の契約書並びに対価の支払い証明を提示できるか確認して頂ければ、どちらの主張が真実かは明らかであると思います」という。
その上で、現2ch運営の「不法行為」への協力を継続しているボランティアユーザーに対し「不法行為を助けてることになるので、この発表後もボランティアを継続する場合は、共犯とみなして、責任を取ってもらう可能性があるということです」と警告。広告業者についても同様に「民事及び刑事の責任を追及する可能性があります」という。
文章は「また、2ch.scの公開は次の日曜日ぐらいを予定していますよ。。と。 2014/04/01 ひろゆき」で終わっている。まさかのエイプリルフールネタなのかどうかも含め、真偽は不明だ。
「サーバーを確保しました」 「2ちゃんねる」に何が起きたのか 運営費がひっ迫?
巨大掲示板サイト「2ちゃんねる」(2ch)が2月19日未明から午前にかけてダウンした。F5アタックを受けている? といった推測が飛び交う中、「2chサーバーを確保しました」という特殊なスレ(924スレ)が立っていた。2chを維持するだけの資金を稼ぐことができなくなっており、そのための措置をとった、というのだが──。
「各関係者様」というタイトルの924スレ(書き込みなどができず、宣伝などに使われる)は19日午前9時、2chのサーバ管理などを行うN.T.Technology会長のジム・ワトキンス氏(愛称はJim)の名前で立てられた。
「2chサーバーを確保しました。前の経営者は、2chの運営経費のための資金を十分な収入を獲得ことができなかったので、首にしました。」
「2chを維持するための十分な所得創出力を失われました。適切な管理次第、2chを再び動かすことができるでしょう。」
──というものだった。その後、Jimとみられる人物が、あるスレッドに同内容の英文を投稿。英文が不自然なのは機械翻訳ではなく、日本在住の外国人に頼んだからだと説明。「寄付は受け付けているが、スタッフのほとんどは解雇された」といった事情や、2chを続ける意志はあること、「●」の販売を再開する気はないが、「●」を購入したユーザーには使えるようにすること──といったことを説明している。サーバ代は月間200万円という説も出ている。
スレが立つ30分ほど前、西村博之(ひろゆき)氏はTwitterで「こうしてささやかに終わり、時代は変わっていくんですなぁ。」とツイートした。関連は不明だ。
導火線になったとみられているのが、「●」こと「2ちゃんねるビューア」で昨年8月に発覚したユーザー情報流出だ。有料の同ツールを利用していたユーザー約3万2000件ののクレジットカード情報などが流出した上、書き込み履歴と情報を突き合わせることで過去の発言が特定される個人が続出し、大きな問題になった。
同ツールを運営するのはN.T.Technology。情報流出の発覚以降、同ツールへのログインや入会は停止している。このため収入源がなくなり、2chサーバ代をまかなえない状態に陥っており、運営費をめぐる内紛が起きた──という見方もある。「●」の販売が停止しているのに「●」ユーザーからは料金の返還を求められ、Jimが窮地に陥っているのではないか、という指摘もある。
現在、「●」によるログインが復活しているという情報があるほか、Jimとみられる人物は過去ログの閲覧を近日中に開放すると述べている。「海賊サイト(まとめサイトなど)が勝手に掲載しているのに、過去ログ閲覧を有料制にしておくのはばかげたこと」だという。