小笠原に島が誕生!小笠原の新島直径200メートル、海底火山噴火で

小笠原の新島、空豆形に 火口に真っ赤な溶岩、海で白煙

小笠原諸島の西之島近くに新たな島が現れてから10日。活発な火山活動を続ける新島は、溶岩の流出が続いて成長しながら形を変え、30日は空豆のような形になっていた。海上保安庁の航空機に同乗した朝日新聞記者が確認した。

新島は小高く盛り上がった部分に二つの火口があり、真っ赤な溶岩が肉眼で見えた。東と南に流れて平らに広がった溶岩は、海水で冷やされ、白煙を上げていた。火口からは1分半から2分おきに灰色の噴煙が勢いよく噴き出し、飛び散った岩石が海面まで達していた。

 第3管区海上保安本部海洋調査課の木下裕巳課長は「26日の観測からさらに形が変わった。溶岩の供給が続いているとみられ、今後も観測が必要だ」と話した。

小笠原に島が誕生 直径200メートル、海底火山噴火で

20日午後4時20分ごろ、小笠原諸島の西之島の南南東約500メートルの海上に、直径約200メートルの新たな島ができているのを、海上保安庁の航空機が確認した。海底火山の噴火によるもので、活動はしばらく続くとみられる。海底噴火による新島の出現は27年ぶり。海保は、近くを通る船に注意を呼びかけている。

 新たな島は東京の南約1千キロ、父島の西約130キロにできた。標高数メートル。

 海保の提供映像では、中央付近にある火口から時折、爆発的に黒い噴煙が噴き出して高さ約600メートルに達し、白い湯気がさらに高く上っている。陸地の周囲では、爆発で吹き飛ばされた岩石が海面に落ちる様子も確認できる。

 付近では1973年にも噴火で島が現れ、近くの無人島の西之島とつながった。これ以降、海水の変色がたびたび確認されていたという。


新しい島が・・・小笠原で海底噴火 西之島南南西500m(13/11/21)

溶岩を噴き出す小笠原の新島 空撮

小笠原の新しい島、誕生の噴煙 高さ300mに

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西之島 「新島」誕生へ陸地拡大 溶岩流と浸食の攻防戦

約40年ぶりの噴火で新たな陸地が出現した小笠原諸島・西之島(東京都小笠原村)。陸地は溶岩の流出で順調に拡大しており、すぐに消失する可能性は低いと専門家はみる。ただ、安定的な「新島」誕生には活動の継続が必要だ。

■前回噴火に類似

 西之島は11月20日、南南東約500メートルの近海で噴火し陸地が現れた。海上保安庁によると、陸地は12月4日時点で噴火翌日の約3・7倍の約5万6千平方メートルにまで成長した。甲子園球場の1・4倍の広さだ。

 3つの火口が活発に活動しており、溶岩は東、南東方向に加えて4日には新たに南西方向にも流れているのが確認され、活動の拡大がうかがえる。

 西之島は富士山級の海底火山の山頂部が海面上に出たものだ。記録に残る噴火は、新島が誕生した1973~74年が初めて。今回もほぼ同じ山頂部で噴火し、似たような経過をたどっている。

 まず、マグマが海水に触れて急膨張する「マグマ水蒸気噴火」が海底で発生し、岩石が噴出して高さ20メートルほどの陸地を形成。その後、火口が海面上に出て、溶岩が陸地を流れる「マグマ噴火」に移行し、陸地を広げている。

 マグマ水蒸気噴火の噴出物は軽石状でもろいため、陸地ができても波による浸食で消えてしまう。マグマ噴火の溶岩流が固まると、浸食を受けにくい陸地ができる。前回の噴火は約24万平方メートルの新島が形成され、西之島と地続きになり今も一部が残っている。

■「年単位で残る」

 今回の陸地は新島として残るのか。海保の伊藤弘志火山調査官は「噴出物が出るペースも前回と似ており、噴火がすぐに終わるようには見えない」。気象庁の菅野智之火山活動評価解析官も「溶岩流が発生したからには、ほどなく噴火が止まっても、新島は年単位で残るはず」と話す。

 東大地震研究所の前野深助教(火山地質学)は「前回は多くの火口ができ、溶岩流の場所が移っていったことが新島の面積拡大につながった。今回も同様のことが起きれば、島が広くなりやすい」と指摘する。

 ただ、前回の新島も波に洗われ、すでに半分以下に縮小した。島が安定して残るには、表面が冷めることなく継続的に溶岩が流れ、緻密で均質な構造を作ることが重要という。

 無人島の西之島には地震計などの観測装置はなく、通常は海保が年2回、上空から観測するだけだ。今回のように異常が起きた場合は観測が強化されるが、活動の予測は難しい。

■海溝沿いに火山島

 西之島の東にある伊豆・小笠原海溝は、太平洋プレート(岩板)がフィリピン海プレートの下に沈み込んでおり、両プレート境界の深部では岩石が溶けてマグマが発生する。「火山フロント」と呼ばれる場所で、海溝に沿って火山島の伊豆・小笠原諸島が連なる。

西之島ができたのは1万年前以降とされるが、よく分かっていない。調査のため2003年に上陸した産業技術総合研究所の中野俊地質・衛星情報サービス室長は「島の岩石は安山岩だが、硫黄島など周辺の3島はそれぞれ種類が全く違う。その理由は謎で実に興味深い」と話す。

 当時の西之島の印象は「鳥の楽園。平らな地形のため、カツオドリの格好の営巣地になっていた」。

 プレート移動を原動力に生じた新たな陸地は、地球規模の巨大な運動の産物だ。その消長は波との攻防が鍵を握る。今回の噴火は日本の領海拡大に関心が集まりがちだが、陸地が生まれ刻々と姿を変える様子から、地球のダイナミズムも感じ取りたい。

■現存新島は2つだけ

 日本近海では多くの新島が出現しては消えてきた。噴火の記録がある新島のうち、現存するのは西之島の前回噴火の新島と大隅諸島の昭和硫黄島だけだ。

 海底火山で特に活動が盛んな小笠原諸島の福徳岡(ふくとくおか)ノ場(ば)では20世紀だけで新島が3回出現したが、いずれも波に浸食されて消えた。

 伊豆諸島の明神礁(みょうじんしょう)でも1952~53年、新島が3回出現したが消滅。52年9月には調査に向かった海上保安庁の測量船「第5海洋丸」が爆風によるとみられる転覆沈没で遭難し、31人が死亡する痛ましい事故が起きた。

 海底火山は大規模な噴火が起きれば、山体崩壊などで津波が発生する恐れもあり、災害と決して無縁ではない。

 新島で残った珍しいケースが昭和硫黄島。薩摩硫黄島付近で34年に起きた海底噴火で出現した。昭和期で国内最大規模の噴火といわれ、90~95年の雲仙普賢岳噴火に匹敵する大量の粘性の高いマグマが噴出したため、波の浸食を受けながらも現存している。

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