エコで静か、充電も簡単…電気船「あまのかわ」試乗体験ルポ
エコブームを背景に、排ガスゼロの電気自動車が注目される中、大阪市中心部を流れる大川に、電気で動く船が登場した。「クリーンで快適な船旅を」をキャッチフレーズにした「あまのかわ」。地元の専門家チームが開発し、大阪水上観光の「足」として活躍が期待されている。船のデザインや乗り心地、中の様子を探るべく、乗船体験してきた。
(北村博子)
シンプルな外観
乗船体験の出発地点は、京阪天満橋駅に隣接する八軒家浜船着場(大阪市中央区)。現れた電気船は、未来型というべきなのか、角張っていて、屋根が低く平べったいという印象。横から見ると背の低い新幹線の車両のようにも見えた。
船体は、後方部に虹が描かれているほかはいたって白くシンプルな外観。取り外し可能という客席の窓ガラスはすべて外され、風通しはかなりよさそうだ。
いざ乗船。地下へ降りるように階段を下りて客室に入り、席に着いた。窓から外をのぞくと水面がすぐ下にある。
船は上流に向かってゆっくりと進み出した。思ったより速度は遅い。ただ、沿道のサクラ並木がちょうど見頃だったので、かえってよかった。
しばらく進んだところで下流へと方向転換した。モーターの音は聞こえるが、船が進むことで生じる波音も聞こえるくらいの静かな音。モーターで動く船というよりは、手こぎ船の印象に近いかもしれない。のんびりと、ゆっくりと、のどかな景色をながめながら、元の場所に戻った。
ハイテク、エコ仕様
「あまのかわ」は、電気船に関する研究グループや関係業者などでつくる「大阪電気推進船研究会」(会長、南繁行・大阪市立大教授)が開発した。世界でも珍しいリチウムイオン電池式で、バッテリーは研究会メンバーの三菱重工製。同じくメンバーの造船会社「ツネイシクラフト&ファシリティーズ」を中心に完成させた。昨年10月から試験運航を開始し、今年4月初めからは観光船として本格運航している。
船は全長15メートルで幅3・2メートル。定員は42人。船体はアルミニウム合金製で、重さは従来型のディーゼルエンジンの船に比べて4分の1ほどの約7・5トン。時速は最大6ノット(約11・1キロ)と、こちらは従来型よりやや遅めだ。操縦はタッチパネルモニターで行い、照明にはLED(発光ダイオード)を使用するなど、船内はハイテクでエコな装備が並ぶ。これらを動かす電力は、屋根の上に設置されたソーラーパネルの発電でまかなっているという。
1回の充電で6時間の長持ち
船の側面入り口付近に電気プラグ受けを発見。これが充電に使われる。陸に横付けした際に陸上の電源から供給するのだ。将来は川沿いの店舗などからの電源供給も見込まれるという。それにしても、この電源プラグ受けは家庭用より少し大きい程度で、船を動かすことを考えると小さく感じた。
